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中期経営計画
中期経営計画
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新規領域での事業拡大
新規領域での事業拡大
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中華圏での市場拡大
中華圏での市場拡大
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 オムロンは,2005年10月31日に発表した2005年度の中間決算(2005年4月~9月)や通期の業績見通し,ならびに今後の経営方針の詳細について発表した(Tech On!関連記事)。営業利益に計上している厚生年金基金の代行返上に伴う代行返上益を除くと,同社の中間決算での営業利益は実質的に減益している。営業利益の通期の業績見通しは650億円を割り込むと予測するものの,現時点では通期の業績見通しを変更しないという。中期経営計画における重点戦略として新規領域での事業と,中国や台湾などの中華圏での売上高増を挙げた。このうち新規領域の事業として主に車載向け機器,MEMS,液晶バックライト・モジュール,基板検査装置などを挙げ,2003年度に比べて2007年度の売上高を約500億円増やす計画。一方,中華圏での既存事業は約10億米ドル増やす考えだ。

 営業利益が実質減益だったのは,液晶バックライト・モジュール事業が小型品,大型品ともに低調だったため。携帯機器に向けた小型品では,売値が前年度に比べて30%~50%下がったことが影響したという。主に大型液晶パネル向けた大型品では,2005年4月から予定していた台湾の液晶パネル・メーカーの生産工場での稼動開始がクリーンルームの認定の遅れなどで同年8月にずれ込んだことと,台湾の液晶パネル・メーカーの生産が低調だったことを減益の理由として挙げた。

液晶バックライト・モジュールと車載機器が伸びると予測

 オムロンは新規領域とする分野で,特に液晶バックライト・モジュールと,車載レーダなどの車載向け機器の市場拡大が見込めるとした。新規領域での売上高の目標を2003年度の180億円に対して2007年度に約500億円増の680億円程度とし,さらに電気2重層キャパシタ事業やRFID事業などを加えれば約820億円になると予測。そのうち液晶バックライト・モジュールで,大型品,小型品を合わせて300億円強を占めるとした。RFID事業は,2005年度の約25億円から,2007年度には少なくとも約70億円にまで拡大し,リーダ/ライタまで含めればさらに売上高が増えると見込んでいる。2006年度には欧州,中国でのRFIDタグ事業の拠点を設立するという。