NTTとセガは,実在の2次元/3次元物体にハイパーリンク機能を持たせ,インターネット上のサービスと連携させる技術およびサービスに関して共同研究を開始すると,2005年12月13日に発表した。同日発表したサービスは,携帯電話機付属のカメラで物体を撮影することで,その物体に関連するWebサイトのURLを自動的に取得できるというもの。今後,研究を進めながら,さまざまなフィールドテストを行うとしている。
前述のサービスの仕組みは以下の通り。まず,カメラ付き携帯電話機でカメラ・アプリケーションを起動し,2次元/3次元物体を撮影する。次に,撮影した画像のデータをNTTのサーバに送る。このサーバは,サービスの対象となる物体の画像データのデータベース(DB)と接続されており,携帯電話機から送られてきた画像データとDBの画像データを照合。両方が一致する場合には,関連するWebサイトのURLを携帯電話機に送り返す。携帯電話機の持ち主は,ほぼ自動的にそのWebサイトにアクセスできる。
ただし,NTTのサーバ上で照合するのは,正確には画像データそのものではなく,画像データからエッジに関するデータ(エッジデータ)だけを抽出したもの。「色情報などは照合に必要としていないので,一部に影が生じた画像や明度が足りない画像などでも,かなり正確に識別できる」〔NTT第三部門ビジネスクリエーションプロデュースチームプロデューサ(主任研究員)の林經正氏〕。対象物の一部が手で隠れていたり,背景が複雑な形状の画像にも対応できるという。
DBに登録しておくエッジデータは,NTTが作成する。サービスのクライアントは,対象となる物質を「ある程度のガイドラインに沿って撮影するだけで十分」(同氏)という。
NTTは,このサービスの概要を同社のプライベートイベント「NTTグループ コミュニケーションEXPO」(2005年12月20~22日,東京ビッグサイト)で一般向けに公開する。ISPであるOCNのWebサイト上でも,こうした認識技術を使ったサービスを期間限定(2005年12月13~26日)で運営する。同サービスには,セガが保有するコンテンツを提供している。