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 ロンドン,ヒューストン,シンガポールに拠点を持つICIS-LOR社の世界DRAM価格調査によると,アジアのスポット市場における256MバイトDIMM(Dual Inline Memory Module)の2005年12月2日までの30日間(11月3日~12月2日)移動平均価格は,PC2100が18.73米ドル,PC2700は37.88米ドルになった。同様に512MバイトDIMMは,PC2100が35.54米ドル,PC2700が37.88米ドル,PC3200が36.23米ドルだった。前週(11月25日までの30日間移動平均)と比べると,256MバイトDIMMのPC2100は-2.88%,PC2700は-0.86%,512MバイトのPC2100は-3.03%,PC2700は-0.86%,PC3200は-3.26%だった。

 DIMM価格の下落がおよそ2カ月続き,DRAMメーカーの採算は悪化した。NAND型フラッシュ・メモリなどDRAM以外の半導体を生産できるDRAMメーカーは,DRAM比率を落として他の半導体を増産することで利益確保に必死だ。それでも,2005年は台湾メーカーを中心とした300mmウエハー対応ラインへの投資が盛んだったため,生産能力は余っている。その結果,DRAMはまだじりじりと値下がりが続いている。

 例年,2月と3月は需要が少ない時期のため価格が大幅に下落しやすい。既にコストぎりぎりまで下がったDRAM価格だが,2006年2月以降さらに大幅に下落すれば,DRAM以外の半導体への生産シフトが大幅に進むだろう。その場合には,DRAM専業でDRAM売上高5位と6位の台湾Nanya Technology Corp.やエルピーダメモリがシェアを大幅に上げ,市場への影響力を増すことになりそうだ。



表●DRAM代表品種の2005年12月2日までの30日間(11月3日~12月2日)移動平均価格(ICIS-LOR社調べ)
品種 地域 30日間移動
平均価格
(米ドル)
対前週比(注)
512MバイトDIMM
(PC3200)

北米

44.20 0.00%

欧州

38.20 -3.28%

アジア

36.23 -3.26%
注)対前週比は2005年10月27日~11月25日の30日間移動平均価格との比。

地域別のDIMM(512Mバイト品,PC3200)価格の推移(~2005年12月2日,ICIS-LOR社調べ)