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アクティブ型無線ICタグLAS300シリーズ。背後にあるのは受信機(リーダー)。
アクティブ型無線ICタグLAS300シリーズ。背後にあるのは受信機(リーダー)。
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 無線ICタグ(RFID)を開発・販売するキュービックアイディは,「ucode」認定のアクティブ型無線ICタグ「Local Area Search(LAS)300シリーズ」を用いた「幼稚園情報管理システム」を,2005年12月14日から開催中の「TRONSHOW2006」に出展した。

 今回展示したシステムは,システムライツが開発した幼稚園向けの情報管理システムに,キュービックアイディがLAS300シリーズによる管理機能を追加する形で開発した。従来は,園児の登園,降園の情報を担当者が入力して管理していた。これらの情報管理を無線ICタグに置き換え,手入力の負担を軽減する。このほか,職員の出退勤管理やバスの乗車確認なども自動化できる。2006年4月から,実際の幼稚園で実稼働する予定である。

アクティブ型の特性を生かす

 LAS300シリーズは,電池を搭載して固有のID番号(ユビキタスID)を発信する,アクティブ型の無線ICタグである。300MHz帯の微弱電波を使い,7mの距離から検知できる。パッシブ型の無線ICに比べ確実な運用が可能だとしている。「幼稚園児に『タグをセンサにかざす』操作をさせることには無理があるが,アクティブ型のタグなら出入り口に基地局を置くことで確実に検出できる」(キュービックアイディ)。電源はボタン電池(CR2032)1個である。電池寿命は,電波の送信間隔が5秒のとき2年弱。なお「幼稚園情報管理システム」では,電池寿命が尽きかけている無線ICタグを画面上に表示して警告する機能を備えている。

 LAS300シリーズは,今回のTRONSHOW2006と同時期に「ucodeタグ」として認定された。同時にucodeタグとして認定された「Dice」(YRPユビキタス・ネットワーキング研究所,IT Proの関連記事)もアクティブ型無線ICタグだが,Diceは双方向通信が可能なのに対し,LAS300シリーズは一方向通信(タグからの発信だけ)である。

 ただし,筐体の厚さはLAS300シリーズのほうが薄い。Diceが本体だけで15mm角なのに対し,LAS300シリーズは電池と共に防滴ケースに収めた状態で29mm×48mm×10mmである。東京大学の坂村健教授は「Diceは双方向の無線ICタグとして世界最小だが,LAS300シリーズは送信に機能を絞ることで,さらに小型化に成功している」とコメントしている。

■TRONSHOW2006の特設ページはこちら

幼稚園児の通園管理に応用した。従来のシステムでは手入力していたが,これを無線ICタグによる自動認識に置き換える。
幼稚園児の通園管理に応用した。従来のシステムでは手入力していたが,これを無線ICタグによる自動認識に置き換える。
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