PR
図1 開発した厚さ45μmの電解質膜
図1 開発した厚さ45μmの電解質膜
[画像のクリックで拡大表示]
図2 セルでの発電特性
図2 セルでの発電特性
[画像のクリックで拡大表示]

 米PolyFuel, Inc.は,ダイレクト・メタノール型燃料電池(DMFC)で最大出力80mW/cm2を達成できる厚さ45μmの炭化水素系電解質膜を開発したと発表した(図1,2)。

 同社がこれまでサンプル供給してきた厚さ62μmの炭化水素系電解質膜に比べて最大出力密度を33%向上できるとしている。試験条件については,+40℃の環境下でメタノールの濃度は1mol/L。MEAの面積が12cm2のセルを利用した。空気極側は大気に開放し,燃料極側には燃料を強制的に供給している。

 最大出力密度が向上した理由は,膜が薄くなったことでイオン伝導度が増したことと,空気極側で生成する水を燃料極側に戻す「逆拡散(back diffusion)」を増やしたことにあるという。逆拡散については,厚さ62μmの炭化水素系電解質膜に比べて30%増えており,濃度100%のメタノールを燃料に使うことも可能になったとしている。なお,厚さ45μmの電解質膜は,化学的な組成は62μmの電解質膜と同じという。

 燃料極側から空気極側にメタノールが透過する「メタノール・クロスオーバー」については,62μmの電解質膜に比べて少し増えるが,代表的なフッ素系電解質膜である米DuPont社の「Nafion 117」に比べて1/2以下に抑えたという。

 耐久性については現在2000時間までは劣化がないことを確認済み。PolyFuel社では既に日本メーカーを含む5社の燃料電池メーカーにサンプルを供給しているという。