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本物の工場廃水を使って実演
本物の工場廃水を使って実演
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フィルタで水を抽出し,廃水濃度を高める
フィルタで水を抽出し,廃水濃度を高める
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高濃度の廃水を脱水して作った「PSiP」
高濃度の廃水を脱水して作った「PSiP」
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 三洋アクアテクノは,LSI工場の廃水から水とSiをそれぞれ再資源化できる廃水処理装置を「エコプロダクツ2005」に出展した。小型のデモ機を使って本物の工場廃水から水を分離できることを実演で示した(Tech-On!の関連記事1同記事2)。

 LSI工場では回路を形成したSiウエーハの裏面を研削して薄くする際に,大量のSi粉末を廃水と一緒に流している。例えば,Siウエーハの約80%が廃棄されているとの指摘もある。最近では複数のチップを積層してパッケージングする技術が普及し,ウエーハをより薄く削る必要があるため,廃水中のSi含有量は増加傾向にあるという。

 このような廃水を処理する場合,水を再資源化することは容易だが,Siの粉末を集めることは難しかった。Siの粉末を集めるためには,廃水の濃度を高める必要があるが,濃度が高いとフィルタが目詰まりを起こしてしまうためである。このため,従来は薬品を使ってSiの粉末を沈殿させて回収していたが,沈殿したSi粉末は薬品中のAlなどと化合しており,資源として再利用することは難しかった。

 そこで,今回は通常よりも目の粗いMF(micro filter)を使い,廃水処理前にフィルタの表面にSi微粒子を吸着させて2次ろ過膜を形成した。この状態でゆっくりと廃水から水を抽出すると,フィルタの目詰まりを起こさずに廃水濃度を高められるという。十分に濃度が高まった廃水は脱水し,「PSiP(Pure Silicon Paste)」と呼ぶブロックに加工する。このブロックはSi含有量が90%以上と高く,製鉄分野で使う脱酸剤として利用できる。Siウエーハとして再利用することは,まだ技術的に難しいとする。

 今回の廃水処理装置「アクアクローザ」は約3年前に発表して以来,多くのLSIメーカーに採用されてきたという。三洋アクアテクノでは,この技術を応用してCMP(化学的機械研磨)廃水の処理装置を実現しているほか,現在はHF(フッ酸)の廃液からCaF2(蛍石)を取り出す装置を開発中である。このHFの廃液処理装置は2006年度早々にも製品化する。