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図1◎水溶性海島繊維
図1◎水溶性海島繊維
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図2◎天然のヌバック皮革(左)とティレニーナ(右)の断面
図2◎天然のヌバック皮革(左)とティレニーナ(右)の断面
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 クラレは,製造工程で有機溶剤を使わない人工皮革「ティレニーナ」を開発した。自動車のシートや家具,スポーツ用の靴などさまざまな分野で利用できる。2006年6月に発売する予定だ。製造プロセス「CATS(CLARINO ADVANCED TECNOLOGY SYSTEMS)」を構築することで,環境への負荷を低減した。1m2当たりの価格は,2500~7000円。

 ティレニーナには,同社が開発した水溶性の海島繊維を使う(図1)。この繊維は,海成分である水溶性ポリマ「EXCEVAL」と,島成分であるポリエステルやナイロンなどから成る。0.02~0.5dtex(dtexは,1万m当たりの糸の質量)と多様な細さをそろえた。樹脂は,水系ポリウレタンエマルジョンなどを使う。

 構造は以下の通りだ。基体層は上記の繊維や樹脂から成り,3次元的に絡み合うち密不織布。その上の立毛層は,短毛仕上げと長毛仕上げがあり,いずれかを選ぶことで製品の質感を変えられる。最上層の表皮層を構成するのは,透湿/通気性のあるポリウレタンエマルジョンだ。

高密度な繊維構造とすることで,より天然皮革に近い質感を実現(図2)。そのほか,縦/横の伸度のバランスを工夫した。ラインアップは,ヌバックやスエードといった立毛タイプと,銀付きタイプ。用途によって,特性を付加できる。例えばスポーツ用の靴の場合ははく離強力を確保し,自動車のシートの場合,耐久性を高める。