PR

 「32型液晶テレビの日本市場での価格は,2006年末には10万円強まで下がる」。こうした価格推移予測を,データガレージ取締役主席アナリストの李根秀氏が12月19日の「JASVA第35回アクションセミナー」で示した。FPDテレビはメーカーの予測を超えた価格低下が続いており,例えば32型液晶テレビの場合,この1年で価格は半分近くになっている。

 このようなFPDテレビの価格低下は今後も続くと李氏は見る。その理由の一つが,これまで日本中心だったFPDテレビ市場が世界中へ広がることである。特に巨大市場の米国では,欧米の企業が企画・販売し,台湾や中国の組立メーカーに製造させる低価格のFPDテレビの市場が急速に増える可能性が高い。こうしたテレビ・メーカーにパネルを供給する韓国や台湾のパネル・メーカーも,積極的な設備投資を計画している。

「高額なFPDテレビは売れない」


 テレビは地域性が大きく,米国市場での動きが日本やその他の市場に当てはまるとはいえない。しかし,価格については「グローバル・スタンダードを無視できない」と李氏は見る。インターネットの普及により情報が瞬時に流通する中で,「例えば日本市場だけがメーカー直販による特殊な価格体系を持つことは難しい」(同氏)と指摘した。さらに,デジタル放送の普及やブロードバンド時代の到来によって本格化する新サービスを享受するために,消費者は従来のようにテレビや家電だけではなくIT機器にも時間と金をかけるようになることから,テレビにかけられる金額は少なくなり,「高額なFPDテレビは売れなくなる」と同氏は推測する。

 もし同氏の予測通りに推移するとすれば,FPDテレビ事業では価格低下と世界市場への急速な普及を前提にした戦略構築が必須になる。絵作りなどで高付加価値化を図るだけではなく,低価格化を徹底したFPDテレビも含めて,世界中のあらゆる地域に「売れるテレビ」を供給することができなければ,激化する競争を勝ち抜くことは難しい。こうした背景から,今後はテレビ市場でも「液晶のモジュール売りや,パネル,組立,企画・販売の分業化が加速するだろう」と,同氏は予測する。