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 日本電気と中国電力は,分散型電源で問題になる「単独運転」を短時間で,しかも確実に防止するため,分散型電源用転送遮断システムを共同開発した。低圧系統に接続してある分散型電源のPLC(Power Line Communication)を利用した転送遮断システムを開発したのは世界初。今後は,装置の小型化などの改良を進め,2007年4月を目途に実用化を目指していく。

 単独運転というのは発電設備(単機または複数台数)を連系している電力系統が事故などによって系統電源と切り離された状態で,連系している発電設備の運転だけで発電を継続し,局所的に線路負荷に電力供給している状態のこと。PLCは電力線を通信回線として利用する通信形態だ。

 分散型電源は,配電線の事故などによって停電した場合,単独運転防止装置が作動することで,自動的に運転が停止する仕組みになっている。しかし,分散型電源を同じ電力系統に多数連系させると,停電の際にも単独運転防止装置が作動せずに運転を継続する可能性が高くなる。単独運転の状態となった場合,各々の分散型電源から配電線に向けて電気が流れることで,顧客の感電事故,電気設備の故障・拡大などにつながる危険性が高くなる。

 これらの事故を未然に防止するためには,単独運転となった分散型電源へ速やかに遮断指令を送り,短時間かつ確実に当社線と分散型電源とを遮断させるシステムを開発する必要があった。

 本システムは,主に以下の3種類の装置で構成されており,単独運転となった分散型電源を短時間かつ確実に電力線と遮断することで,分散型電源の単独運転を防止する。まず,変電所に変電所情報提供装置を設置し,変電所における遮断器の開閉情報(事故情報)などを転送遮断信号伝送装置へ送る。次に,転送遮断信号伝送装置を中国電力の営業所に設置し,変電所における遮断器の開閉情報(事故情報)などを変電所情報提供装置から受信して,停電区域内の分散型電源と接続している転送遮断信号受信装置に対し,遮断指令を送る。さらに,転送遮断信号受信装置を引き込み線と分散型電源との間に設置し,転送遮断信号伝送装置からの遮断指令を受けて当社線と分散型電源とを遮断する。当装置にはPLCモデムを内蔵し,柱上変圧器付近に設置したPLCモデムと通信回線でつなぐ。

 事故が発生した時,停電区域内にあるすべての分散型電源に対して遮断指令を送るため,確実に単独運転を防止できる。また,変電所における遮断器の開閉情報(事故情報)などを直接転送するため,事故発生から短時間で電力線と分散型電源とを遮断できる。

 なお,作業などにより電力系統を変更する場合でも,その都度,自動的に系統情報を更新することで,分散型電源の登録漏れを防ぐ。転送遮断の信号伝送回線にPLCを適用することで,新たに信号伝送回線を布設する必要がなくなるため,安価にシステムを構築できる。