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 米IEEE802委員会で策定中の移動体向け高速無線アクセス規格「IEEE802.20」の基本伝送方式が,ほぼ固まった。

 IEEE802.20の作業部会は,2006年1月15日から米ハワイで開催中の会合で伝送方式を選定する投票を行い,賛成多数で米QUALCOMM Inc.と京セラの提案方式をベース技術に採用することを決めた。今後はこの伝送方式を基に,ドラフト案の作成に入る。

 IEEE802.20は別名MBWA(Mobile Broadband Wireless Access)とも呼ばれるもので,時速100kmを超える高速移動体にも高速の無線インターネット・サービスを提供するコンセプトで規格策定が進んでいた。2002年から作業部会での討議が始まっていたが,このほど伝送方式案を1本化する投票を行ったもの。その結果FDD(frequency division duplex)モードにQUALCOMM社の技術提案「MBFDD」が,そしてTDD(time division duplex)モードについてはQUALCOMM社と京セラの統合案の「MBTDD」(MBTDD 625k-MC(BEST-WINE)モードを含む)で認められた。一部で強行に反対する陣営もあったが,投票結果は大差での賛成となった。

 今回の提案技術は,高速でかつ移動中にも利用できる点が強みという。例えば20MHzの帯域幅を利用した場合には最大データ伝送速度が260Mビット/秒を超える。また「時速120kmでも安定した高速データ通信を可能にしている」(802.20部会の関係者)と説明する。このためにOFDMやOFDMA,SDMA,アダプティブ・アレー技術などを組み合わせている。周波数利用効率が高いことをウリとしており,「最大値では13.4ビット/秒/Hz/セクターに達する」(QUALCOMM社)という。

 今回ベースとなる伝送方式が決まったことで,今後はこの方式を基にしたドラフト案の作成が始まる。作業部会の閉会期限が約1年と迫っているため,「策定作業はかなり急いで進むことになりそう」(802.20部会の関係者)との見方がでている。