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ソニーの中川裕氏
ソニーの中川裕氏
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 コニカミノルタからデジタル・カメラ事業の一部資産の譲渡を受けるソニーが,本誌などの報道機関の質問に応えた(関連記事)。回答者は,ソニーでデジタル・カメラやビデオ・カメラを統括する中川裕氏(同社 執行役 EVP デジタルイメージング事業部長 兼 オーディオ事業部長)である。

——なぜコニカミノルタの資産を買ってまでデジタル一眼レフ・カメラ(DSLR)を強化するのか。

中川氏  DSLRを含めたラインアップを揃えることで,カメラ・メーカーとしてしっかりとした立場を築くためだ。コニカミノルタの交換レンズ接続規格「Aマウント」に対応したレンズ資産や設計ノウハウを生かすことで市場に普及させるまでの時間を節約したい。もちろんDSLR市場は世界で伸びているし,利益率は1割以上とコンパクト機と比べて高い。ただ私見だが,DSLRといえども今後の競争は厳しくなり,利益率は低下するだろう。それでもカメラ・メーカーとしてDSLRをすぐに揃える必要があると考えている。

——実際にどんなDSLRを発売するのか。

中川氏  現時点で具体的な製品イメージを話すことは避けたい。ただ,当社が保有する撮像素子や2次電池といった基幹部品を生かすと同時に,デジタルAV技術を使って新たな付加価値をユーザーに提供したい。コニカミノルタの現行製品からブランドを付け替えただけのようなカメラを販売するつもりはない。2006年夏をメドにDSLRを発売するので,詳細はそのときまで待ってほしい。2006年2月末に米国で開催されるカメラ関連展示会「PMA 2006」でも特にDSLRについては発表しない。

——基幹部品を生かすとはどういうことか。ソニーの撮像素子部門は「ISSCC 2006」で640万画素で構成する1フレームを,毎秒60フレーム出力するといった,高性能なCMOSセンサを発表する(関連記事)。こうした部品を使った新しいDSLRを投入するということか。

中川氏  一般論として,あるいは将来像としては,その通りだ。ただし,そうした製品をいつ投入するかは,また別の問題である。

——キヤノンやニコンのようにプロ向け製品も揃えるのか。

中川氏  Top of topの商品を提供するつもりはない。いわばハイ・アマチュアまでだ。本当に業務に向けるとなると仕様が異なる。

——譲渡を受ける一部資産とは何か。

中川氏  Aマウントのカメラや交換レンズに必要な製造設備や設計情報などだ。DSLRと交換レンズの生産は当面,コニカミノルタに委託するが,いずれもソニー・ブランドで販売する。特許について当社は,コニカミノルタが保有するデジタル・カメラの関するすべての特許について実施権を得る。

——コニカミノルタからDSLRの開発人員を受け入れるということだが,もう少し具体的なイメージを教えてほしい。

中川氏  コニカミノルタでカメラ事業に携わってきた社員の方々には,できるだけソニーに来ていただきたいと思っている。雇用契約は,コニカミノルタのものを引き継ぐのではなく,ソニーに新たに就職していただくかたちになるだろう。受け入れる人員はDSLRの開発者ばかりでなく,コニカミノルタの銀塩カメラ関連製品のサポートを担っていた人員なども含まれる。コニカミノルタの開発拠点だった大阪府堺市に,ソニーのカメラ開発拠点を置くことは現在検討中だ。

——DSLRでどのくらいのシェアを取りたいのか。Aマウントを他社が使えるようにする考えはあるか。

中川氏  キヤノンやニコンといった歴史あるメーカーがいるので簡単でないが,ゆくゆくは台数ベースで2割を確保したい。マウントの開放についてはコニカミノルタと話し合うべき内容だ。

——直近の販売状況はどうか。

中川氏  国内,海外とも年末商戦の売り上げは順調だ。国内では「DSC-T9」が「DSC-T1」以来,久しぶりのヒットになった。BCN総研の国内販売ランキングでは,DSC-T9が台数・金額ともトップになっている。海外では国内では今一歩だった「DSC-T7」が好調で,「DSC-N1」や「DSC-R1」も売れている。当社は今年度,1350万台販売する計画だが,これまでのところ計画を達成できそうだ。

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