PR
ベンチャー・カンパニー・パビリオンの様子 日経マイクロデバイスが撮影。
ベンチャー・カンパニー・パビリオンの様子 日経マイクロデバイスが撮影。
[画像のクリックで拡大表示]

 1月26日と27日にパシフィコ横浜で催されたEDAの総合展示会「EDS(Electronic Design and Solution)Fair 2006」。その新規企画の一つが「ベンチャー・カンパニー・パビリオン」である。そこには,日本では普段は情報が手に入りにくい海外の新興ベンダー11社が出展した。

 これら企業の出展内容などを三つの記事に分けて紹介する。「その1」はDFM(design for manufacturability)編である。なお11社のうち,すでにTech-On! EDA Onlineに紹介されている2社については,そちらを参照して欲しい(下表を参照)。DFM分野3社の出展内容は以下の通りである。

アナログ系に特化した,ドイツ製DFM

 独MunEDA GmbH(ホームページ)はミュンヘンに本社を置く企業で,アナログ/アナ−デジ混在設計向けに,回路定数および歩留まり最適化のための統合環境「WiCkeD」を提供している。同社は日本ではあまり知られていないが,独Infenion Technologies AGや伊仏合弁ST Microelectronics社に採用されているなど,欧州を起点に成長中の企業という。

 WiCkeDでは,アナログ回路のトポロジー決定後に,回路定数を最適化して所望の性能を満たす定数の組合せを算出する。その後,DFM/DFY(design for yield)を考慮した,設計のセンタリングを実行する。DFM/DFY機能のうち,目標性能(例えば周波数や利得,電流のミスマッチなど)に対する設計パラメータの感度計算機能などに特徴がある。

 WiCkeDは通常の感度計算に加えて,「設計パラメータが何σばらつくと目標性能を満たせなくなるか」を全目標性能と全設計パラメータの組合せで出力できる。例えば,「現在のゲート長の設計値は,目標性能である利得に対して2.8σの余裕があるが,位相に対しては0.5σの余裕しかない」といった情報が表示可能になっている。σを基準とする余裕は歩留まりそのものであるため,各項目の計算値を総合することで回路の歩留まりを計算できることになる。

 これまでにアナログ回路設計に適用した例では,人手で 4 週間かかっていた定数決定がWiCkeDによって1 日で終了し,性能も向上したという。今回のパビリオンでは,米Cadence Design Systems, Inc.のEDAシステムにWiCkeDを統合した状態を見せていた。設計フローはユーザー定義可能で,GUI を駆使した表示は見やすっかった。

CMPや露光を考慮できる配線設計ツール

 米Pyxis Technology Inc.(ホームページ)は,CMP(化学的機械的研磨)/リソグラフィ(露光)/歩留まりを考慮する配線ツール(以下DFM router)を提供する。タイミングの最適化を目指す通常の配線設計機能に加え,DFMに関する複数のパラメータを最適化の評価関数に盛り込むことができる。

 現在,DFMを考慮した設計と言うと,ダブル・ビアへの置き換えや配線間隔の拡大などといった,ポスト・レイアウト処理が多い。これに対して,PyxisのDFM routerでは,配線設計段階でDFMを考慮できるため,より高度で効率的なDFM指向の処理が可能だとする。例えば配線混雑を緩和するようなチャネル割当は,個別のパスのタイミングを見つつ,チップ全体を扱えるツールでないと困難を来たす。

 通常,DFMの考慮と,チップ面積は相反する関係にある。このため,同社のツールでは,歩留まりへの影響を考慮して,DFMルールの遵守度をユーザーがある程度コントロールできるようになっている。製造プロセスの成熟度や製品の狙いに合わせて,レイアウト設計者がDFMに関する腕をふるえるツールになることが期待される。

 3社目の米Aprio Technologies, Inc.(ホームページ)のDFMツールについては,Tech-On! EDA Onlineに紹介されている(Tech-On!関連記事)。


EDS Fair2006 ベンチャー・カンパニー・パビリオン出展企業一覧と記事へのリンク

DFM 米Aprio Technologies Inc. 記事
独MunEDA GmbH 記事
米Pyxis Technology Inc. 記事
RF シンガポールAdvanced RFIC (S) Pte Ltd. 記事
ギリシャHelic S.A. 記事
低電力化 米Azuro Inc. 記事
論理検証 米Axiom Design Automation社 記事
米SynapticCAD Inc. 記事
米Verific Design Automation,Inc. 記事
C言語入力の合成 米Impulse Accelerated Technologies,Inc. 記事
システム性能評価 米Mirabilis Design Inc. 記事