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 「ソフトウエアテストシンポジウム 2006(JaSST 06)」では,テストの「観点」の表現について興味深い発表があった。電気通信大学 講師の西康晴氏は,テスト設計において,そのシステムに必要とされるテストの観点を整理して記述するための記法が必要であるとの認識を示し,実際にそのたたき台となる記法案「Notation for Generic Testing(NGT)」と,その背景にあるコンセプトを説明した。テストの観点をより分かりやすく整理するために,テスト設計においてもソフトウエアそのものの設計と同じく「デザイン・パターン」(ベテラン設計者の設計手法をまとめたひな型)を記述して議論できる環境が必要とした。  西氏は発表の冒頭でまず最初に,テスト設計の難しさを強調した。「私自身,テスト分野で10年の経験があるが,いまだにテスト設計は難しいと感じる」。テストの技法そのものは専門書や教科書で多数解説されているものの,いざそれらを実践する段になると,各技法をいつどのように使えばいいか明確にはわからない,という。テストの詳細設計に入る以前の,上流工程のモデリング手法が確立していなかったためだ。  ひとくちにソフトウエア・テストといっても,同値分割や境界値分析のようなブラックボックス・テストもあれば,制御フロー・テストのようなホワイトボックス・テストもある。こうした数あるテスト技法をいかに選択し活用するかの視点は「テストの観点」と呼ばれる。しかし,「観点」の分かりやすい伝達や表現,習得は難しい。観点が妥当かどうかの評価も困難である。  テストにおいて観点は非常に重要な要素であり,仮に観点にモレ・ヌケがあるとテストの実効性が大幅に低下し,検出すべき重大なバグを見つけられなくなってしまう。例えば,現在,ブラックボックス・テストの技法として流行の「直交表」についても,肝心の因子にヌケがあっては意味がない。必要な因子をあぶり出す観点が必要である。また,機能要件に関するテストは十分行っていたとしても,動作環境の多様さといった非機能要件の観点が抜けていては価値のあるテストを実施できない。

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