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 東洋製作所(本社東京)と関西電力は,電気式ヒートポンプでは商用機として初めて,温水だけでなく蒸気も作れる「ヒートポンプ式蒸気・温水製造装置」を開発した。100~120℃の蒸気と60~95℃の温水を同時に製造するだけでなく,蒸気のみや温水のみ,さらに100~120℃の高温水も作れる。2006年2月1日から6月末まで,アサヒビール吹田工場で実証試験し,実設備での効果を確認した後,秋から販売を開始する予定。

 現在,食品工場や化学工場などでは,殺菌,洗浄,加熱の工程で,大量の蒸気や温水を使っている。これまで電気式ヒートポンプで温水を供給することはあっても蒸気を供給することはなく,蒸気が必要な場合は燃焼式のボイラを使うしかなかった。ヒートポンプで蒸気を製造すると,冷媒を高温にするために冷媒の圧力が高くなり,構成機器にも高い耐圧性が求められ,装置本体が高価になってしまうためだ。

 今回開発した「ヒートポンプ式蒸気・温水製造装置」は,高温低圧力で使用できる新しい冷媒と蒸気発生に適した熱交換器を採用することにより,温水だけでなく蒸気も作れるようにした。

 殺菌,洗浄,加熱工程で使用した後の排温水は,冷却処理した上で放出しているが,今回開発した「ヒートポンプ式蒸気・温水製造装置」は,この排温水の熱を回収して,効率的に蒸気・温水を製造する。これにより,ランニングコストを大幅に削減するとともに,CO2排出量も抑制できる。さらに,排温水の冷却処理に使うエネルギの低減も図れる。

 これによってCOP(成績係数)16.6(120℃の蒸気と95℃の温水を同時に製造する場合)を実現した。この結果,年間を通じたランニングコストを同等な能力の燃焼式装置の約1/2に削減でき,年間のCO2排出量を約1/5に削減した。