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「協業のメリットは出る」。日本アイ・ビー・エムの大歳卓麻社長
「協業のメリットは出る」。日本アイ・ビー・エムの大歳卓麻社長
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 米IBM Corp.は,エレクトロニクス業界各社と研究開発で協業を進める。まず,日本アイ・ビー・エム東京基礎研究所(神奈川県大和市)に「IBMエレクトロニクス・イノベーション・センター」を開設し,エレクトロニクス業界各社との共同研究に乗り出す。同時に,日本アイ・ビー・エムに製造業向けの技術支援を担当する事業部門「R&Dイノベーション事業部」を新たに立ち上げた。

 共同研究の先駆けとして,松下電器産業,韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.,三洋電機らと,すでに交流を進めているという。例えば松下電器産業との間では,家電製品と情報技術との融合に重点を置いた技術交換セッションを開催し「議論を進めている」(同社)。Samsung社とは「消費者のライフスタイルに合わせた電子機器の共同開発に取り組む」。三洋電機とは「1年以上にわたりエネルギー管理の分野で協業を進めている」とする。

 IBMエレクトロニクス・イノベーション・センターの狙いは「異なる企業の研究者同士が一緒に議論できる場を作ること。ビジネス上のお金のやりとり以前の段階だ」(日本IBM 代表取締役社長の大歳卓麻氏)とする。

 一方,新設した「R&Dイノベーション事業部」は,製造業の顧客の研究開発および製造に関する技術支援を手掛ける営業部門である。組み込み開発や,オープンな標準技術の採用,異なる製品でも再利用が可能なアーキテクチャの構築,効率的な設計・開発の手法の導入などの支援を行っていく。

 大歳卓麻社長は,IBMとエレクトロニクス・メーカーが協業するメリットに関してこう語った。「エレクトロニクス・メーカーに対してIBMが提供できる最大の強みは,『Cell』に代表されるPowerアーキテクチャと,ソフトウエア開発技術だ。特に機器開発の中でソフトウエア開発の比重が増しているが,ソフトウエアの品質や生産性に関する技術でIBM社には長年にわたる蓄積がある。必ず協業のメリットは出る」。

 なお,今回開いた記者会見では,大歳社長はCellに関して言及し「ソフトウエア開発で国内ベンダーを含む数社と協業しており,まだ名前が公表されていないベンダーもある」とした。