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松下電器産業の決算発表の様子。右が同社専務取締役の川上徹也氏。
松下電器産業の決算発表の様子。右が同社専務取締役の川上徹也氏。
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2005年度通期の営業利益見込みを4000億円に上方修正。営業利益率4.5%を達成へ。
2005年度通期の営業利益見込みを4000億円に上方修正。営業利益率4.5%を達成へ。
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石油温風機問題による損失は通期で240億円にのぼる見通し。
石油温風機問題による損失は通期で240億円にのぼる見通し。
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プラズマ・テレビとデバイスに投資を集中。
プラズマ・テレビとデバイスに投資を集中。
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 「石油温風機問題」で揺れに揺れた松下電器産業の窮地を救ったのは,これまで積極的な投資を貫いてきたプラズマ・テレビ事業だった−−。2005年度第3四半期(2005年10~12月)の松下電器の連結決算は,売上高が対前年度同期比4.4%増の2兆3984億円と過去最高,営業利益は同47%増の1294億円となった。このうち,プラズマ・テレビの売上高は同90%増の1483億円にのぼった。

 2005年度通期(2005年4月~2006年3月)の営業利益は,2005年度当初の予測を700億円上回り,1990年度以来15年ぶりの高水準となる4000億円に達する見通しである。この見通しを達成できれば通期の営業利益率は4.5%となり,2006年度には「これまで目標に掲げてきた営業利益率5%が射程に入る」(同社)とする。

石油温風機問題での損失は通期で240億円

 「今回の件は社業全体を揺るがしかねない非常事態だった。この危機を乗り越えなければ松下の明日はない,という気概で全社員が一丸となって対応に当たった」−−。1985~1992年に製造した「FF式石油温風機」および「石油フラットラジアントヒーター」の25機種がCO中毒事故を引き起こす恐れがあるとして,2005年12月以降に回収・点検・改修とその呼びかけを徹底した「石油温風機問題」について,同社専務取締役の川上徹也氏はこう率直に語った。

 この問題が同社の通期業績にもたらす損失の見通しは240億円。その内訳は以下の通りである。2万本近くを差し替えたというテレビCMや3億枚以上を配布したチラシ,1月末~2月中旬に5000万を超える国内全世帯に郵送する告知はがきなどによる宣伝・告知費用が130億円。製品の回収や点検,改修費用が60億円。約6万店の販売店に対する社員の巡回費用や灯油購入経路への対策費用が50億円である。「当面,対応に終止符は打たない。今後何年掛かかろうとも徹底して続けていく」(川上氏)。

海外でのプラズマ・テレビの売り上げが急拡大

 この想定外の損失を補って余りあったのが,プラズマ・テレビの売り上げの増大である。地域別では,中国を含むアジアが対前年度比151%増の218億円,米州が同118%増の491億円,欧州が同70%増の366億円,国内が同62%増の408億円となった。国内外を合わせた年間販売台数は210万台に達する見通しで,平均20%下落している価格の下げ幅を販売台数で補った。プラズマ・テレビを含む「AVCネットワーク部門」全体の売上高は対前年度比8%増の1兆1255億円となり,全営業利益の45%に当たる581億円の営業利益をたたき出した。同部門の営業利益率は5.2%である。

 そのほかの主要4部門の業績は,営業利益の高い順に以下の通りである。(1)エアコンや電子レンジ,洗濯機などを含む「アプライアンス部門」の売上高は対前年比4%減の3295億円,営業利益は244億円で利益率は7.4%。(2)半導体や電子部品を含む「デバイス部門」の売上高は,同横バイの3568億円,営業利益は260億円で利益率は7.3%。(3)松下電工の事業を含む「電工・パナホーム」部門の売上高は同11%増の4351億円,営業利益は231億円で利益率は5.3%。(4)グループ傘下の日本ビクターの売上高は同横バイの2141億円,営業利益は13億円で利益率は0.6%。

投資の1/2をプラズマ・テレビとデバイスに集中投下

 今期の好業績を受け,営業利益率5%の達成に向けて同社が掲げる事業方針は,「コア事業の収益性を高めること」(同社専務取締役の川上氏)である。2005年度通期の設備投資3600億円のうち約1/2をプラズマ・テレビおよびデバイス向けが占める見込みであり,プラズマ・テレビとデバイス事業に比重をおく「アクセントをつけた投資」(同氏)を今後も継続していく構えだ。

 とりわけ,2006年度に対前年度比2倍の400万台の売り上げを見込むプラズマ・テレビは,1800億円を投じて建設する尼崎市の新工場が稼働する2007年度に710万台,2008年度には1000万台超の生産能力を実現する計画であり,同事業の攻めの姿勢を緩める気配はない。

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