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 米Freescale Semiconductor社は,3.5GHz帯の周波数を利用するWiMAX基地局向けのパワー・アンプを開発した。半導体のプロセス技術およびパッケージの技術である同社の第7世代高電圧(HV7)RF LDMOS(laterally diffused metal oxide semiconductor:横方向拡散金属酸化半導体)技術で実現した。LDMOSトランジスタによるWiMAX基地局向けパワー・アンプは業界初という。同社は,モバイルWiMAX(IEEE802.16e)などに2.5GHz帯を割り当てる可能性が高い日本に関しても,LDMOSトランジスタを用いたチップセットを開発中で,2006年の早い時期にサンプル出荷を開始するという。

 今回同社が開発したのは,固定通信用WiMAX(IEEE802.16-2004)や欧州向けモバイルWiMAXなどに使われる見込みの3.5GHz帯(3.3GHz~3.8GHz)に対応したRF用パワー・トランジスタ「MRF7S38075H」。平均出力は42dBm(16W)で,直線性の限界点の目安となる「P1dB(1dB compression point)」は70Wである。同じ周波数でP1dBが40Wと10Wの製品と共に,2006年第1四半期に出荷する。

 FreescaleのLDMOSトランジスタは,2GHz帯の無線周波数を用いる第3世代携帯電話(3G)用の基地局では,広く使われている。ところが,WiMAX向けには,これまではGaAsを用いたPHEMT(pseudomorphic HEMT)型トランジスタを用いていた。理由は,3Gより高い無線周波数と,伝送方式にOFDMを用いるWiMAXでは,パワー・アンプに高い直線性や高い分解能などが要求されるため。「これまでのLDMOSでは,これらの要求に応えられなかった」(同社)という。今回,同社はLDMOSの世代を第6世代から第7世代のHV7とし,3.8GHz帯までのWiMAXで利用できるようにしたという。

 同社は日本向けに,2.5GHz帯に対応したパワー・アンプをLDMOS技術で開発済み。2006年の前半に,平均出力が35W,20W,7Wおよび3Wの各製品をサンプル出荷するという。