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 日立製作所は,2006年2月3日,2005年度第3四半期の決算を発表した。同期の連結決算は,売上高が2兆2588億円(前年度同期比6%増),営業利益が391億円(同14%増),税引前利益が596億円(同16%減),少数株主持分控除前利益が242億円(同33%減),純利益が54億円(同79%減)。売上高と営業利益は,共に前年度同期を上回ったが,純利益は大幅に下回った。

 純利益が大幅に低下したのは,前年度同期にプリンタ事業の売却益やエルピーダメモリ上場に伴う持分変動利益の計上があったため。それにより,営業外収益の雑収益が前年度同期よりも210億円下回ったことが影響した。日立は,同四半期については全体としては好調だったとしている。ちなみに,円安によるプラス影響は100億円。材料費の高騰による原価の上昇は,グロスで180億円,ネット(価格転嫁により回収したものを除いたもの)で70億円だったとしている。

 部門別の売上高/営業損益は,情報通信システムが5113億8500万円(前年度同期比6%増)/5億4900万円(同75%減),電子デバイスが2966億1700万円(同1%減)/65億1300万円(同186%増),電力・産業システムが6057億9000万円(同8%増)/129億6100万円(同117%増),デジタルメディア・民生機器が3623億9100万円(同11%増)/△58億1000万円(△は損失の意,同40億2000万円の損失拡大),高機能材料が4142億9900万円(同9%増)/309億1400万円(同40%増),物流及びサービス他が3171億4000万円(同2%増)/11億2900万円(同54%減),金融サービスが1268億9700万円(同3%減)/96億6800万円(同20%増)だった。

 情報通信システムで売上高が伸びたのは,ソフトウエアやアウトソーシング・サービスの事業が堅調に推移したことに加え,ハードディスク・ドライブの需要増と歩留まり向上による生産能力の向上がうまくかみ合ったためだ。一方,同事業で営業利益が大幅に減少しているのは,前年度同期には子会社の代行返上益が計上されていたことと,ハードディスク・ドライブやパソコンの赤字が要因となっているという。

 また,電子デバイスで営業利益が大幅に伸びているのは,ディスプレイの赤字幅が縮小したため。電力・産業システムでは,日立建機が海外市場向けを中心に売上を伸ばしたことに加え,空調システム,産業機械,自動車関連機器などが堅調に推移したことが,増収増益へつながった。

 デジタルメディア・民生機器については,プラズマテレビ受像機(PDPテレビ受像機)をはじめとするデジタルメディア製品が伸張したことで増収となった。ただ,同事業の営業損益については,2005年4月に子会社化した富士通日立プラズマディスプレイ(FHP)の赤字などが響き営業損失を拡大する結果となった。

 日立は2005年8月にPDPテレビ受像機の新製品を投入しており,販売投資も倍増している。その結果,PDPテレビ受像機の国内シェアは回復してきており,同四半期では27%に,2006年1月には45%まで高まってきている。もっとも,海外シェアは同四半期で8%と国内に比べるとまだ低い。同社の考えでは,薄型テレビ受像機の分野で確固たる地位を築くには物量が不可欠。また,海外事業の効率化が必要としている。こうした考えから同社は,今後,(1)海外における販売チャネルの構築や事業インフラの整備などを進めて海外事業の効率化を図る(2)物量を確保するためにFHPの3番館の立ち上げを2006年に前倒しし,さらに景気を見極めながら投資を増やす−−としている。

 高機能材料については,日立化成工業と日立金属がエレクトロニクス関連や自動車関連を中心に好調に推移したことと,日立電線が伸張したことにより,増収増益を果たしたとしている。

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