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 米Freescale Semiconductor社と伊仏合弁STMicroelectronics社は,自動車分野における両社の強みをさらに強化するため協業すると発表した。マイコンに関する共同設計チームの設置,プロセス技術の合わせ込み,高耐圧パワーMOS技術などのIPの共有を行う。これらによって,開発の効率化や開発コストの低減などを狙う。「自動車メーカーからの要求が強い,半導体のインテリジェント化にいかに対応できるかが重要。この点で,両社の思惑が一致した」(Freescale社)。協業期間に関しては特に定めておらず,技術進化などを見ながら適宜検討していく方針だ。

 両社が持ち寄る具体的な製品/技術は,PowerPCコアをベースとする32ビット・マイコン,自動車やカーナビに向けた基本IP,90nmプロセスの組み込みフラッシュ・メモリ技術,高耐圧パワーMOSFET技術,IGBT技術である。例えば,PowerPCアーキテクチャと組み込みフラッシュ・メモリ技術を用いることで,耐久性が高く,低コストなソリューションを提供できるという。このほか,Freescale社はハイブリッド車などに向けた製品に,ST社の高耐圧技術を利用する。

 現在,世界の車載半導体分野においてFreescale社はトップ・シェアで,「PowerPCを自動車分野の標準技術として普及させたい」(同社)という。ST社もシェアの上位を占めている。ただし世界的に見て現在,最も好調で需要の高い日本市場での両社の存在感は欧米ほど高くはない。NECエレクトロニクスや東芝,富士通,ルネサステクノロジといった日本メーカーの牙城は堅い。このため今回の協業をキッカケに,特に日本市場でのシェア向上を図ることが狙いの一つとみられる。
 
 共同設計プログラムには,両社から合わせて100名以上の設計者が参加する。両社の人員の内訳は未定。本部はドイツのミュンヘンに置き,2006年前半から活動を開始する。協業の成果となる最初の製品は,2007年中にサンプル出荷することを目指す。製品の詳細は明らかにしていないが,パワートレーン系,ボディ系,情報系,安全系の4分野をターゲットにする。

 製品の製造や販売活動は各社独自に行う。製品名や型番も共通化しない。「両社が提供する製品のベースは同じだが,それぞれが保有する製造技術や製品に付加する仕様などの違いによって,少しずつ異なるものになるだろう。価格も変わってくるかもしれない。こうした領域では互いに競争していきたい」(両社)という。