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SOI基板に作り込んだ次世代「ミューチップ」。チップ寸法は0.15mm×0.15mm,厚さは7.5μmである。
SOI基板に作り込んだ次世代「ミューチップ」。チップ寸法は0.15mm×0.15mm,厚さは7.5μmである。
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ISSCC 2003で発表した既存品と,今回の開発品の寸法を比較した。
ISSCC 2003で発表した既存品と,今回の開発品の寸法を比較した。
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開発品に外付けアンテナを接合した様子(上)と,開発品の断面図(下)。チップの上面と下面の両方に電極を用意したことで,「バッチ・コネクション」によるアンテナの接合が可能になる。
開発品に外付けアンテナを接合した様子(上)と,開発品の断面図(下)。チップの上面と下面の両方に電極を用意したことで,「バッチ・コネクション」によるアンテナの接合が可能になる。
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SOI基板を採用した開発品の断面構造の概要である。
SOI基板を採用した開発品の断面構造の概要である。
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開発品の回路構成を示した。
開発品の回路構成を示した。
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 日立製作所は,無線タグ用IC「ミューチップ」の次世代品を開発し,技術の概要をISSCC 2006で発表した[講演番号 17.1]。開発品の特徴は,寸法がわずか0.15mm角,厚さは7.5μmと小型化したこと。2003年のISSCCで発表した品種では,寸法が0.3mm角,厚さが60μmだった(Tech-On!の関連記事日立製作所の発表資料)。

 講演後の質疑応答では,米Alien Technology社やドイツInfineon Technologies社など,無線タグを手がける競合メーカーの技術者から質問が相次いだ。関心を集めていたのは,次世代品にオンチップ・アンテナを集積するかどうかという点である。オンチップ・アンテナを用意すれば,1mm程度の通信距離をかせげる。外付けアンテナで実現できる通信距離に比べると1mmは短いが,例えばチップをそのままICカードに埋め込むことなどを考えた場合,1mmあればずいぶん無線タグの使い勝手が向上する。日立製作所はこの点について「技術開発は進めている。ただし,外付けアンテナでの提供と両構えを考えている」と説明した。

外付けでも一括接合

 アンテナに関する質問が相次いだ理由の1つは,SOI基板を採用すると一般に外付けアンテナを採用しにくくなるとみられていたからである。SOI基板に作り込んだ回路の電極は通常,チップの上面にだけ露出している。この場合,数多くのチップに外付けアンテナを一括して接合する手法「バッチ・コネクション」を適用しにくい。同手法を適用できない場合,製造コストが増大してしまう。

 しかし今回,SOI基板を使いながらチップの上面と下面の両面に電極を作り込み,バッチ・コネクションによって外付けアンテナを接合する技術にメドをつけたという。このためオンチップ・アンテナだけでなく,外付けアンテナでの提供も視野に入れているとした。外付けアンテナを使うことで,48cmの通信距離を確保できることを確認済みという。「SOI基板を使う次世代品でも,1万個ぐらいに一括で外付けアンテナの端子を接合できる。外付けアンテナでも,それほどコスト増にならないはずだ」(日立製作所 中央研究所 主管研究長の宇佐見光雄氏)とする。