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左が新開発のナノアロイ・フィルム。
左が新開発のナノアロイ・フィルム。
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重合技術の違いによる透明度の比較。左が精密重合技術を適用したもの。
重合技術の違いによる透明度の比較。左が精密重合技術を適用したもの。
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新開発のフィルムでは植物由来成分が均一に分散している。
新開発のフィルムでは植物由来成分が均一に分散している。
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 東レは,リサイクル性に優れるポリエステル・フィルム「柔軟・易成形ナノアロイフィルム」を開発した。ポリエステルに非石化原料である植物由来成分を60%程度と多量に添加した。熱エンボス性や熱ラミネート性,耐熱性,透明性,耐薬品性などにも優れる。家電や自動車,建築物などの保護といった幅広い用途に向けて,2006年4月からサンプル出荷を開始する。

 東レは,今回のフィルムを製造するために2つの技術を開発した。1つは,植物油を原料とする長鎖脂肪族成分をポリエステルに多量に添加するための新しい触媒である。一般に植物油ベースの長鎖脂肪族成分は,ポリエステルとの相溶性が低い上,熱に弱く,ポリエステルとの合成が難しい。そこで同社は特定の長鎖脂肪族成分に着目し,低温活性の触媒を使い,これまで同社が培ってきた精密重合技術を応用することで,植物由来成分を多量に含有させることに成功した。

 もう1つは,新規触媒によって長鎖脂肪族成分を添加したポリエステルを,高分子タイプの異種ポリエステルと均一に溶融混練し,両ポリマの構造をnmオーダーで構造制御する技術である。

 これら2つの技術を組み合わせた結果,長鎖脂肪族成分がフィルム中にnmレベルで均一に分散したフィルムにできた。これにより,既存ポリエステルよりも柔軟性や成形性に優れながらも既存ポリエステルと同等の透明性や耐熱性を備えるナノアロイ・フィルムの製造を実現できた。