PR
4/1朝まで
どなたでも有料記事が読み放題「無料開放デー」開催中!
Sandeep Vij氏
Sandeep Vij氏
[画像のクリックで拡大表示]

 FPGA最大手の米Xilinx,Inc.が,DSP関連のEDAツール・ベンダーである米AccelChip社を2006年3月末までに買収する(Tech-On!関連記事)。これによりDSP設計者のFPGAへの敷居を下げ,市場規模が現時点で約20億米ドルとされる高性能DSP市場に本格的に攻め込む構えである。Xilinx社でVice President,Worldwde Marketingを務めるSandeep Vij氏に買収の狙いや今後の方針を聞いた。(聞き手:大石 基之=日経エレクトロニクス)

問  AccelChip社買収の狙いを聞きたい。

Vij氏  我々のFPGAをより多くのDSP設計者に使ってもらうためだ。アルゴリズム開発者やソフトウエア技術者,システム設計者をはじめとした大多数のDSP設計者は,アルゴリズム記述言語として,「MATLAB」やC言語,「Simulink」を好む傾向が強い。その半面,ハードウエア記述言語(HDL)には精通していない。このため,これまでDSP処理を高性能化しやすいFPGAに興味を持ってもらってはいたものの,なかなか採用が進まなかった。

問  AccelChip社の買収により,Xilinx社のプラットフォーム上で具体的に何ができるようになるのか。

Vij氏  大きく2つのことが可能になる。1つは,MATLABで記述したDSPアルゴリズムをRTLデータに合成できるようになる。これまでXilinx社の開発ツールでは,Simulinkで記述したDSPアルゴリズムをRTLに変換することは可能だったが,MATLAB記述のデータからは手作業でRTLに書き直す必要があった。

問 もう1つは何か。

Vij氏  MATLABで記述したDSP関連のアルゴリズムIPをXilinx社が顧客に提供できるようになる。例えば,FFTをはじめとした信号処理ツール・キット,リード・ソロモン符号化/復号化などの通信ツール・キット,多項式評価やマトリクス反転を含む高等数学ツール・キットがある。

問 買収される側のAccelChip社にはどういうメリットがあるのか。

Vij氏  顧客層を飛躍的に広げられる。世界中のXilinx社の販売チャネルを利用できるからだ。AccelChip社は優れた技術を有していたものの,従業員が24名しかいなかったため,サポート体制に限界があった。顧客層をなかなか拡大できなかった。AccelChip社の顧客は現在50社ほどだが,Xilinx社のユーザー数は25万に達することからも明らかである。

問 買収に伴い,AccelChip社のツールの価格体系は見直すのか。

Vij氏 そのつもりだ。詳細はこれからだが,ハッキリ言えるのは,より顧客に受け入れられやすい水準まで低価格化することを検討している。従来のAccelChip社はソフトウエアの販売のみで利益を出す必要があったため,どうしても価格水準が高めになってしまっていた。これに対して,Xilinx社はFPGA事業で利益を出すことができるため,ツール単体で儲けなくても良い。