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 米Agilent Technologies,Inc.は,測定帯域が2GHz~13GHzのオシロスコープ「Infiniium DSO80000B」シリーズ8機種を発売した(図1)(ニュース・リリース1)。高速シリアル・インタフェースなどの研究開発などに向け,最大13GHzまで測定帯域を拡張できるようにした。買い替え費用を削減できることを売り物にする。例えば開発対象を現行のPCI Expressからより高速な第2世代のPCI Express に変更する場合,通常は,700万円程度する帯域が6GHzのオシロスコープから1200万円程度の同12.5GHzのオシロスコープに買い換える必要が生じる。今回の製品の場合,本体を買い換えずにアップグレードすることで帯域を拡張できる。この場合,追加で必要な費用は約600万円に抑えられる(図2)。

 実際には今回の製品は,ハードウエアは共通で,ソフトウエアによってユーザーが使用できる帯域を制限することで2GHzから13GHzまでの機種を用意している。アップグレード時にはソフトウエアによる制限を解除し,較正することで測定帯域を拡張する。また,本体出荷時の測定帯域に合わせて製品試験をしているため,更新後の測定帯域によっては内蔵するボードの性能が不足する場合もあり得る。この場合はボードを交換するとしている。DSO80000Bシリーズは同社の「DSO80000A」シリーズ(8GHz~13GHz)と「54850A」シリーズ(2GHz~7GHz)の後継機に当たる。広帯域品のDSO80000Aシリーズと同様,オシロスコープによる誤差やトリガのジッタを低減する技術を採用しているため,54850Aシリーズに比べると雑音などを抑えている。今回の6GHz品(DSO80604B)の場合,分解能5mV/divで測定すると,GNDのRMS誤差は241μVである。同社従来品(54855A)の場合は同じく376μVだった。

 今回の製品には,最大動作周波数が2.93GHzのマイクロプロセサを採用している。解析処理によっては1GHz動作のマイクロプロセサを使っていた従来品に比べて,処理速度が約2.3倍になったとしている。表示画面にはタッチ・パネルを採用した。価格は測定帯域が2GHzのDSO80204Bで260万4989円,13GHzのDSO081304Bで1372万2541円である。

70psのパルス幅をトリガできる


 Agilent社は同時に,波形検索用ソフトウエア「InfiniiScan」を発売した(ニュース・リリース2 )。オシロスコープでメモリに捕捉したデータから異常波形を検出する「ソフトウエア・トリガ」を実現する。同社はトリガする際の時間分解能を高めるための製品と位置づけている。例えば,間欠的なグリッジ信号でトリガをかける場合,今回の製品ではパルス幅が70psと小さいグリッジを検出することができる。従来のハードウエアによるトリガの場合,分解能は300ps程度で,それよりも狭いパルス幅のグリッジを観測したい場合はメモリにデータを取り込み,1画面ごとにスクロールして目視で探す必要があった。

 ソフトウエア・トリガはメモリへの書き込み時間や検索時間がかかるため,原理的にハードウエア・トリガに比べて測定できない時間(デッド・タイム)が長くなる。しかし,ハードウエア・トリガでは測定したい10GHz相当の信号自体をそもそも検出できないため,今回の製品にはソフトウエア・トリガを採用した。Agilent社は,InfiniiScanの用途として,高速シリアル・インタフェースの規格テストに不合格だったときにバグを探すといった場合を想定している。こうした場合,異常波形の出現頻度はそれほど低くないため,ソフトウエア・トリガで大半の要求には応えられるとしている。

 グリッジを検出するほか,複雑な事象も検出できる。例えば,DDRインタフェースを備えるメモリの場合であれば,データ・ストローブ信号とデータ信号のエッジの差から,不具合が読み込み時に起こっているのか書き込み時に起こっているのかを判別できる。このほかに,マスク・テストのようにある領域を波形が通過する,あるいはしないことをトリガ条件としたり,最長80ビットのシリアル信号のパターンをトリガ条件にしたりすることなどが可能。価格はInfiniium 80000シリーズに対応した「N5414A」の場合で57万5689円である。

図1 「DSO81204B」(12GHz品)。パルス幅100psでトリガした場合の画面を表示している。
図1 「DSO81204B」(12GHz品)。パルス幅100psでトリガした場合の画面を表示している。
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図2 拡張の価格は1機種ランクが上がるごとに設定されている。例えば2GHzから13GHzに拡張することもできるが,図の価格を全種類足した価格になる。
図2 拡張の価格は1機種ランクが上がるごとに設定されている。例えば2GHzから13GHzに拡張することもできるが,図の価格を全種類足した価格になる。
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