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図1 3セグメント放送の概要
図1 3セグメント放送の概要
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 2006年後半の本放送開始を予定する地上デジタル・ラジオ放送に向け,データ放送を使ってどのようなサービス形態が実現できるかを検討してきた業界団体「デジタルラジオ ニュービジネス フォーラム」が成果報告会を開催した。2005年6月に設立されたこのフォーラムは,機器メーカーやラジオ放送事業者など86会員(2006年1月時点)で構成する。音声放送用の1セグメントと,データ送信などの拡張放送用の2セグメントを組み合わせた「3セグメント放送」をした時の携帯電話機や車載端末に向けたサービスや収益モデルを,10個のワーキング・グループで検討してきた(図1図2)。「ワーキング・グループへの参加企業が,我々(事務局)の予想以上に具体的なビジネスを視野に入れて活動してくれた」(同フォーラム事務局の藤勝之氏(エフエム東京 クロスメディア事業局 局次長))。

 サービスの構想だけでなく,実現に必要な技術仕様の検討まで踏み込んだワーキング・グループの1つが,日産自動車らが参加する「車載機連携WG」である。車載端末で番組の付加情報を表示する,ラジオ放送で流れた楽曲を購入する,番組で紹介した店舗などの情報をナビゲーション・システムに渡す,といったサービス形態を想定する(図3)。車載機連携WGが最大の課題としたのは,車載機のメーカーごとに異なる操作画面への適応である。

表示内容と配置情報を分離

 そこで車載機連携WGは,こうしたサービスを実現するための機能(楽曲を購入するためのボタン,楽曲を「お気に入り」として登録するためのボタン,画像データの表示領域,など)と,操作画面の表示レイアウトを分離することを決めた。端末に表示させるボタンなどを放送局が定義し,そのデータを拡張放送用セグメントで送信する。サービスの実現に必要な20個の機能を抽出し,それらの機能を表現するためのXMLベースのマークアップ言語のタグを定義した。車載端末には,このマークアップ言語を解釈できる実行環境を搭載し,マークアップ言語で示されたボタンなどを独自のスタイルシートで配置して表示する。今回の成果報告会で展示した端末では,マークアップ言語を解釈できるアプリケーションをJava仮想マシン上で動作させていた(図2)。

 デジタルラジオ ニュービジネス フォーラムは,各種のサービスにおける標準を作る団体ではない。地上デジタル・ラジオ放送の本放送免許取得を目指す新事業会社であるマルチプレックス ジャパンが,サービスの共通基盤や標準仕様を決めていく見通しのため,今回の成果をマルチプレックス ジャパンに提案するなどして標準化を促進する考えである。また同フォーラムは,今後も実証実験を行う団体が存在する意義があるとして,第2期の活動を提案した。2006年3月に第2期の参加メンバーを募集する予定である。

図2 10個のワーキング・グループが活動を推進
図2 10個のワーキング・グループが活動を推進
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図3 車載機連携WGのサービス構想
図3 車載機連携WGのサービス構想
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図4 車載機連携WGが出展した車載端末。画面上のボタンや画像データの配置は,端末内のスタイルシートで決めている
図4 車載機連携WGが出展した車載端末。画面上のボタンや画像データの配置は,端末内のスタイルシートで決めている
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