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 第3世代移動体通信(3G)方式の普及に伴い,国内で利用している携帯電話番号を海外でも使えるようになってきた。国内で使っている携帯電話機のICカード(USIM:universal subscriber identity module。第2世代方式ではSIM:subscriber identity moduleと呼んでいる)を,海外向け機種に差し替えればいい。国内とは別方式の海外向け機種であっても,ICカードが同じなら同じ番号を使うことができる。

 今回の3GSM World Congressの話題の1つは,このICカードの大容量化だった。この分野で積極的に動いているのが,イスラエルのM-Systems社である。スペインMicroelectronica社と共同で,容量が512MバイトのSIMを第2四半期中に,1GバイトのSIMを2006年中に提供すると発表した。米Spansion Inc.とは64Mバイトの「HD-SIM」を共同発表,256Mバイト品も視野に入れた。現在利用されているSIM(UIM)の容量は一般的に数十Kバイトであり,一気に容量が100倍~1000倍以上の製品を提供しようというものである。

 各社がSIMの大容量化を進める背景には,携帯電話機が保持する個人データの拡大やDRM(digital rights management)が必要な映像,音楽配信の広がりがある。現状の数十Kバイト程度のSIMではアドレス帳の一部を記録できる程度であり,メモリ・メーカーやSIM向け論理回路を開発するメーカーは音楽・映像コンテンツを丸ごと入れられるような大容量品に商機があるとみているようだ。

 SIM関連では,このほかルクセンブルグGemplus International S.A.が「.sim(ドットシム)」と呼ぶ戦略を明らかにした。SIMの容量を増やすことなどにより,携帯電話機とパソコンなどほかの端末間とのデータを共有できるようになるという。