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図1 東レがDMFCのデモを披露
図1 東レがDMFCのデモを披露
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 東レは,2006年2月21日から開催された「国際ナノテクノロジー総合展」に,ダイレクト・メタノール型燃料電池(DMFC)向け炭化水素系電解質膜を出展し,同電解質膜を使った燃料電池でノート・パソコンや玩具を動かすデモンストレーションを披露した(図1)。

 同社の炭化水素系電解質膜の特徴は,モノマの状態でスルホン酸基を結合し,そのモノマを重合してポリマ化していること。これにより,メタノール水溶液が電解質膜を透過する「メタノール・クロスオーバー」の発生を大幅に抑えることができるという。

 具体的には,フッ素系電解質膜として主流である米DuPont社の「Nafion117」に比べて,プロトン伝導度が同じの場合にメタノール・クロスオーバーを1/10以下に低減できたとしている。開発成果については,2005年11月に開催された「第46回電池討論会」で既に報告済みだが,その際には500時間稼動した後の試験結果しか明らかにしていなかった(関連記事)。今回の展示会では2000時間稼動した後でも出力が数%しか低下していないことをパネル展示した(図2)。

 同社のブースでは,セルを20個重ねた燃料電池でノート・パソコンを駆動するデモと,セルを7個重ねた燃料電池で玩具を動かすデモの2種類を披露した(図3,図4)。どちらの燃料電池もセルにメタノールや空気を供給するのにポンプやファンを利用するアクティブ型。

 燃料は,法規制などの関係で濃度が高いものは会場に持ち込めなかったため,約60質量%のメタノール水溶液を使ったという。セルに供給する際には十数%程度に希釈して利用する。

 同社では,2007年ころに実用化が始まる携帯機器向け燃料電池への電解質膜については供給体制に問題ないとしており,MEA(膜/電極接合体)での供給についても要求があれば対応していくとしている。

図2 DMFCに関するパネル展示
図2 DMFCに関するパネル展示
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図3 ノート・パソコンを駆動する燃料電池。十数Wの出力でノート・パソコン上で画像のスライドショーを行った
図3 ノート・パソコンを駆動する燃料電池。十数Wの出力でノート・パソコン上で画像のスライドショーを行った
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図4 玩具を動かすデモンストレーション
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