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【図1】開発した高い熱伝導率を持つ高分子フィルム(右)。左は従来材料
【図1】開発した高い熱伝導率を持つ高分子フィルム(右)。左は従来材料
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【図2】開発した高熱伝導性フィルムの断面写真(右)。厚み方向に配向し,きれいにnmレベルで構造制御されているのが分かる
【図2】開発した高熱伝導性フィルムの断面写真(右)。厚み方向に配向し,きれいにnmレベルで構造制御されているのが分かる
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【図3】各種材料の熱伝率の比較。開発材料は,アルミニウムとステンレスの中間に位置する
【図3】各種材料の熱伝率の比較。開発材料は,アルミニウムとステンレスの中間に位置する
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 ポリマテックは,高分子に強磁場を印加して磁場方向にnmレベルで配向制御することにより,20W/mKという高い熱伝導率を持った高分子フィルムの開発に成功した,と国際ナノテクノロジー総合展「nano tech2006」(2006年2月21日~23日)で発表した(図1)。繊維では例があるが,高分子フィルムでここまで高い熱伝導率を達成したのは初めて。発熱量の増大で悩む半導体パッケージ材料向けに有望だと見ている。

 高分子の組成は未公表だが,「芳香族系で熱可塑性」だと言う。これを溶媒に溶かして溶液とし,超電導マグネットコイルを使って10T(テスラ)程度の強磁場をかけて,キャストフィルムとする。強磁場をかけることによって,芳香環成分が磁力線と平行,つまり厚み方向に磁場配向する(図2)。通常ポリマーを磁場配向すれば膨張係数や弾性率など各種の物性を向上できるが,今回は材料や配向条件を工夫することによって,特に厚み方向の熱伝導率を20W/mKまで上げることができたという。

 配向処理しない同じ材料系のフィルムでは0.4W/mKであるため,磁場配向により50倍に熱伝導率が上がったことになる。アルミニウムには及ばないが,ステンレスを凌ぐ高熱伝導率材料となった(図3)。

 問題は厚み方向の異方性が極めて高いことから,面方向の強度などが低下して,簡単に裂けるフィルムとなること。このため同社は面方向についてはガラスクロスなどで複合材料化して補強するなど,材料化を意識した検討を今後進めたいとしている。

 なお同研究成果は,経済産業省が主導する「ナノテクノロジープログラム」の中の「精密高分子技術プロジェクト」の一環。