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図1 展示した電解質膜。左がポリイミド多孔質膜。右が細孔フィリング電解質膜
図1 展示した電解質膜。左がポリイミド多孔質膜。右が細孔フィリング電解質膜
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 宇部興産は,2006年2月21日から開催されている「国際ナノテクノロジー総合展」に,ポリイミド多孔質膜を使ったダイレクト・メタノール型燃料電池(DMFC)向け電解質膜を初展示した(図1)。同社はポリイミド多孔質膜の量産を掛ける大手。

 展示したのは,ポリイミド多孔質膜の孔に電解質ポリマを充填した「細孔フィリング電解質膜」。剛性が高いポリイミド多孔質膜を利用するため,膨潤しにくく,寸法安定性に優れるほか,耐熱性が高いのが特徴(図2)。さらにポリイミド多孔質膜の空孔率や透気度,孔径などを制御できるため,メタノールのクロスオーバーを抑えながら,プロトン伝導を高められる最適な構造を形成しやすいという。

 同社では,プロトン伝導度を高めるにはポリマ中のスルホン酸基の濃度を高めることも重要だが,電解質の充填率を最適化する必要があるとしている。プロトン伝導するためには水分が必要であり,水分を含んだ電解質は膨潤する。そのため,ポリイミド多孔質膜の孔へ電解質を充填しすぎると電解質膜が水分を含むことができずプロトン伝導度を高められないとしている。

 宇部興産では今回,3種類の細孔フィリング電解質膜を展示したが,それぞれの詳細については明かさなかった。ただし,同社は東京大学と共同でポリイミド多孔質膜に,2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(ATBS)系の電解質ポリマを充填した細孔フィリング電解質膜について過去に高分子学会などで発表している。

 宇部興産では2007年に立ち上がるDMFCには採用は間に合わないが,次世代の電解質膜として期待しているという。

図2 展示したパネル
図2 展示したパネル
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