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試作した布製電子タグ
試作した布製電子タグ
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ポットに布製電子タグを取り付けて機能測定を行っている様子
ポットに布製電子タグを取り付けて機能測定を行っている様子
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腕に布製電子タグを取り付けての機能測定
腕に布製電子タグを取り付けての機能測定
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 情報通信研究機構(NICT)は,金属曲面や人体などにも装着できる布製電子タグを開発/試作した。これは,金属製のマイクロストリップ・アンテナの金属部分を布に置き換えた布製の平面アンテナを応用することで実現したもの。今回試作したのは2.4GHz帯だが,UHF帯(950MHz)にも応用できるという。

 通常,電子タグには線状アンテナを用いる。しかし線状アンテナは,金属や人体のように導電体に直接取り付けると,その機能を失う。一方でマイクロストリップ・アンテナを電子タグに使う例もあるが,硬い基板を使うため,曲面形状の金属や人体の表面に取り付けるのは難しい。そこでNICTは,既に開発していた布製マイクロストリップ・アンテナを採用した。

 従来のマイクロストリップ・アンテナは,厚い誘導体基板を,上面から薄い平面金属片で,下面からはそれよりも面積の広い金属片で挟み込んだ構造。上面の金属片の大きさは使用する周波数によって異なり,周波数が高くなるにつれて金属片の面積は小さくなる。カーナビゲーションシステムのアンテナや,衛星放送受信アンテナでも使う。それに対して布製マイクロストリップ・アンテナは,従来のマイクロストリップ・アンテナの構成要素である誘電体基板をフェルトなどの厚い布に,平面金属片を導電性のある布に,それぞれ置き換えている。金属製マイクロストリップ・アンテナと同等の電気特性を持つ上,柔軟性も高い。

 試作品には,2.4GHz帯のICチップを使用。それをアンテナと電子機器のインピーダンスを合わせるための回路とともに,布製マイクロストリップ・アンテナの表面に取り付けた。この布製電子タグは,裏面に突起がないため金属表面に張り付けられる。布製アンテナは,従来のマイクロストリップ・アンテナと比べて材料費が1/10程度のため,コストも低減できる。