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 インターネットに接続して使うITSは,今後どのように発展させるのか——。自動車向け通信サービスの技術研究や仕様策定を手掛けるインターネットITS協議会は,サービス展開が可能な領域と,事業を実施するための技術仕様を策定した。いよいよ事業展開する下地ができあがった形だ。同協議会は2006年3月28日に開催したセミナーにおいて,事業領域を検討した3つの分科会(SIG)のリーダーや同協議会 事務局長の時津直樹氏(デンソー)が登壇したパネル・ディスカッションを開いた。

 インターネットITS協議会が策定した仕様の利点について,プローブ情報活用SIGリーダーである立松淳司氏(デンソー)は,オープン・プラットフォームであることと,複数の通信メディアを使えることを挙げた。インターネットを利用したITS事業をサービス・プロバイダーが始めようとしたときに,参入障壁が低いという。走行中にさまざまな車両データを収集し渋滞情報や気象情報などとして活用するプローブ・カー・システムを広めることを考えると,携帯電話網や無線LAN網,PHS網などへモバイル・ルータで切り替えながら接続できる今回の技術仕様は,プローブ・データを効率的に入手するのに有利とする。

 ロードサービスSIGリーダーの青木新二郎氏(パーク24)も,オープン・プラットフォームであることがサービス事業者にとって利点が多いとした。最寄りのガソリン・スタンドや店舗紹介をインターネットを使って車載機器に配信しようとすると,自動車メーカーごと,あるいは機器メーカーごとに車載機器の仕様が異なっていては,配信する情報を作り変えたり,試験したりする手間やコストがかさんでしまうという。さらに,オープン・プラットフォームであれば,サービス事業者がサービス内容を更新しやすく,アイデアを事業に結び付けるのが容易とした。

 コンテンツSIGリーダーの藤沢秀幸氏(ゼンリンデータコム)は,インターネットへの接続を前提としていることからビジネス・モデルを構築しやすいことを利点とした。「自動車以外の機器では,インターネットを介さないとコンテンツ配信ができない。インターネットにつながらないと,そもそも商売ができない」(同氏)。加入数が8000万台を超える携帯電話機向けコンテンツ配信サービスが10万人の会員数で事業が成り立つことを引き合いに出し,自動車向けコンテンツ配信サービスを受けられる機器がとにかく増えないとサービス事業は成立しないとした。3000万台~4000万台の自動車がインターネットに接続できるようになると,自動車向けコンテンツ配信サービスでも10万人規模の事業が望めるようになるという。サービスを受けられる機器を増やすには,共通仕様が適しているとの考えだ。

 インターネットITS協議会の仕様を策定したといっても,現状はトヨタ自動車や日産自動車,ホンダがそれぞれ独自のプラットフォームで自動車向け通信サービスを展開している。同協議会 事務局長の時津氏は「ユーザーにとっても,サービス事業者にとってもプラットフォームを共通化した方が良い」とし,長期的に見ればプラットフォームは1つになるとの考えを示した。ただし,短期的には上記3社のプラットフォームと,同協議会のプラットフォームを合わせた4つが並存するとみる。今後,プラットフォームの共通化を念頭に置いた活動も強めていきたい考えである。なお,パネル・ディスカッションに先立って同協議会が発表した今後の活動方針の中で,通信サービスのプラットフォームを検討しているITS Japanとの連携を進めるとしている。