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新日本無線のスイッチIC「NJG1642HE3」
新日本無線のスイッチIC「NJG1642HE3」
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GSM端末の送受信モジュールのブロック図
GSM端末の送受信モジュールのブロック図
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 新日本無線は,携帯電話機向けに,周波数帯に応じて差動信号用フィルタを切り替えるSPDT(single pole dual throw)スイッチIC「NJG1642HE3」を開発した(図1)。2つのSPDT回路を内蔵したことで,2対の差動信号の切り替えて1対の差動信号を出力できる。すでにサンプル出荷中で,サンプル価格は70円である。

 GSM端末のデータ通信方式「EDGE(enhanced data GSM environment)」などの高速データ伝送技術では,受信信号のS/Nを向上させるため,帯域通過フィルタとバランを一体にした差動信号用フィルタを配置することがある(図2)。このフィルタにより,アンテナが受信した信号を1対の差動信号に変換したのち,LNAに入力する。今回開発したSPDTは,通過帯域の異なる2種類の差動信号用フィルタと1つのLNAをつなぎ,使用するフィルタを切り替える役目を担う。

 このようなSPDTが必要となるのは,複数バンド対応のGSM端末で,地域ごとに周波数帯を切り替える場合である。差動信号用フィルタは周波数帯ごとに異なる品種が必要だが,LNAは周波数帯が近ければ共用できる。例えば,900MHz帯の受信信号と850MHz帯の受信信号については,LNAを共用可能である。このため,900MHz帯に対応したフィルタと850MHz帯対応のフィルタをSPDTに接続することで,LNAを1つ省略できる。

 新日本無線は,以前からSPDT回路を2つ備えたICを出荷していた。今回同社は,GSM端末にICを実装する際の使い勝手を高めるため,IC内部で配線をクロスさせることで配線の取り回しを容易にしたほか,1ビットの制御信号で2つのSPDT回路が同時にスイッチするようにした。IC内部で配線をXにしたことから,同社はこのスイッチICシリーズを「X-SPDT」と呼ぶ。

 帯域は3GHzまで対応することで,無線LANやWiMAXなどにも適用できるようにした。挿入損失は1GHz入力時で0.3dB,3GHz入力時で0.55dBである。スイッチング時間は1.5μs。最低動作電圧は1.7Vである。

<おわびと訂正> 記事の掲載当初,SPDTを「single pole dual through」の略語と表記していましたが,正しくは「single pole dual throw」です。おわびして訂正いたします。