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新社長の古川一夫氏
新社長の古川一夫氏
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 日立製作所は,2006年4月1日に社長に就任した古川一夫氏の就任会見を開催した。同氏は,経営の最大の課題として,ハード・ディスク装置(HDD),薄型テレビ,液晶パネルの3事業の黒字化を掲げた。さらに,営業利益率5%を早期に達成したいとの意気込みを述べた。

 古川氏は,入社以来,一貫して通信システムや情報システム分野に携わってきた。同氏の社長就任に伴い,前社長の庄山悦彦氏は執行役会長に退く。

 記者会見での主な一問一答は以下の通り。

問 最大の経営課題とするHDD,薄型テレビ,液晶パネルの3事業の黒字化の見込みは。
古川氏 これらの事業については2005年から大きな対策を講じてきており,2006年後半には3事業の黒字化を達成できると確信している。この3事業の黒字化に向けて全社を挙げて注力しているところであり,黒字化できないことは想定していない。

問 HDD事業では,具体的にどのようなテコ入れ策を考えているのか。
古川氏 大きく3つある。1つは開発力の強化。2つめは品質の向上,最後は中国での生産立ち上げである。開発力の強化については,日米の開発分担の明確化や外部メーカーとの協業を推し進めていく。

問 PDPや液晶パネルの生産能力向上の計画はあるのか。
古川氏 PDPについては,富士通日立プラズマディスプレイ(FHP)の宮崎事業所で現在は月産10万台の生産能力がある。2006年10月までに同事業所の3番館が月産10万台の規模で立ち上がり,合計で月産20万台になる。その後,三番館を月産20万台の規模に増強するため,合わせて月産30万台になる(Tech−On!関連記事1)
 液晶パネルについては,先日発表したようにIPSアルファテクノロジの生産開始時期を2006年5月に前倒しする(Tech−On!関連記事2)。その後の能力増強については,市場の状況をみながら検討する。

問 FHPは富士通から日立の子会社になった(Tech−On!関連記事3)が,今後,社名の変更や株式の持分比率の変更はあるか。
古川氏 考えていない。FHPには富士通から来た技術者もたくさんおり,FHPという名前も世界的に認知されている。ただし,薄型テレビ市場は変化が激しいので,状況によっては考えることもあるだろう。

問 営業利益率5%はいつ達成するのか。
古川氏 とにかく地道にオペレーションしていき,できるだけ早く達成する。

問 縮小する事業についての考えは。
古川氏 これまで庄山氏が進めてきた構造改革の方向性は間違っていなかった。この方向に沿って,3つの事業(HDD,薄型テレビ,液晶パネル)を黒字化していく。縮小する事業については,具体的には考えていない。

問 前社長の庄山会長との役割分担はどのようになるのか。
古川氏 会長がグループ全体の戦略を決め,私が実際のアクションを担う。

問 社長への就任が決まった2005年12月からの3カ月,どのようなことに力を入れてきたのか。
古川氏 社長への助走期間ということで,従来とは違う視点で過ごしてきた。1つは,いろいろな事業所に出向き,従業員との対話を進めてきた。ほかには,マスコミ関係者やアナリストと対話をして,外部から見た日立がどのようなものか,意見を聞いてきた。こうした結論として,「原点回帰」という想いを新たにした。創業当時の開拓者精神をあらためて思い起こし,日立の発展に向けて全力を尽くす。