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米Avago Technologies社のWaguih Ishak氏。日本法人のアバゴ・テクノロジーは,東京都目黒区にオフィスを構える。Avagoという社名は「ラテン語で”行く”または”すばやい”という意味のvadereと,英語のgoを組み合わせた造語で,俊敏に動くイメージを込めたもの」という。
米Avago Technologies社のWaguih Ishak氏。日本法人のアバゴ・テクノロジーは,東京都目黒区にオフィスを構える。Avagoという社名は「ラテン語で”行く”または”すばやい”という意味のvadereと,英語のgoを組み合わせた造語で,俊敏に動くイメージを込めたもの」という。
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 「とにかく意思決定が素早くなった。研究開発に勢いが出始めた」−−。米Agilent Technologies, Inc.の半導体部品部門を受け継ぎ,2005年12月から新会社として活動を始めた米Avago Technologies, Inc.。Vice President 兼 CTOを務めるWaguih Ishak氏は,独立による事業状況の変化をこう説明する。独立から4カ月が経過した現在の事業状況を,Ishak氏に聞いた。

(聞き手:堀切 近史,根津 禎=日経エレクトロニクス)


−−Avago社の事業概要について聞きたい。Agilent社の半導体部品部門だった時と何が変わったのか
Ishak氏 扱う製品については,現時点の段階では基本的にAgilent社の時代から変わりない。しかし事業状況は大きく変わり始めた。意思決定が素早くなり,研究開発に勢いが出始めた。Agilent社として計測事業と半導体事業が一体だったときは,意図していないものの半導体事業は小回りが利かなかった。しかし現在は違う。研究開発や事業部門の体制については,現在の事業領域に最適化している。
 具体的な製品群については,携帯電話機向けRF部品やイメージ・センサ,ファイバ・オプティクス,IrDAモジュール,通信機器やストレージ機器,プリンターに向けたASICやASSP,光学式マウス・センサなどである。

−−製品が多分野に渡っているように見える
Ishak氏 一見したところ多岐に渡るように見えるが,技術のベースは共通している。我々の製品は次の3つの技術に基づいている。すなわちエレクトロニクス,フォトニクス,MEMSである。これらを単独,あるいは組み合わせて製品に仕立てている。
 市場の観点からみると我々は,通信分野と民生分野,産業分野に軸足を置いている。いずれも重要であるが,2025年ころまでを展望するとエレクトロニクス業界の主役は民生市場がカギを握るのではないだろうか。過去,半導体製品の応用先は時代とともに変化してきた。例えば1970年代にはメインフレーム,1980年代にはミニコン,1990年代はパソコンと主役が変遷してきた。今後は携帯電話機やデジタル家電を始めとする民生分野が主役となるのは間違いない。セキュリティ関連やヘルスケア関連など,民生分野で成長が期待できる領域もある。こうした動向についても注視していきたい。

−−研究開発の体制にはどのような特徴があるのか
Ishak氏 Avago社は現在,製品分野で区切った7つの事業部門を擁している。まずそれぞれの事業部において,1年後の製品開発を担う研究開発の人員を配置している。さらに事業部を横断する研究開発の拠点として「US Advanced Research Center」を構えている。ここでは約50人~60人のエンジニアが,3年先に事業化につながるテーマの研究開発に取り組んでいる。US Advanced Research Centerで先端技術を生みだし,事業部の研究機関に移管して事業化につなげるわけだ。
 こうした二段構えの研究開発体制は,Agilent社の時代から継承している。それどころがAgilent社の前身である米Hewlett-Packard Co.(HP社)時代にも同様の体制を採っていた。これまで効果的に機能していたものを,あえて壊す必要はない。実際,現在我々の収益の柱となっている技術は,この事業部を横断する研究開発拠1点から誕生したものが少なくない。例えば光学式マウス・センサや,携帯電話機のRF回路向けFBARフィルタ,LED,プリンター向けエンコーダなどがそうだ。
 US Advanced Research Centerは,大きく3つのミッションを掲げている。新技術の発明,知的財産(IP)の創出,そして大学との連携強化だ。

−−日本をどのように位置づけているのか
Ishak氏 セールスやマーケティングはもちろん,技術開発の拠点としても大切にしたい。我々が民生分野を強化していく中で,その技術開発の目利き役を担えると考えているからだ。日本市場は,民生分野で世界の先頭を走っている。今後の方向性や,技術開発への要求などを掴める。
 実際,日本には現在「Japan Development Center」という開発拠点を構えている。約10名のエンジニアを擁しており,米国の研究拠点と密に情報交換を取り合い開発を進めている。

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