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 松下電器産業,パナソニック モバイルコミュニケーションズ,NEC,NECエレクトロニクス,そして米Texas Instruments, Inc.の5社が,第3世代(3G)方式の携帯電話事業に関して合弁会社を設立する方向で検討を進めていることが明らかになった。日本経済新聞の報道によれば,上記の5社は日本に合弁会社を設立し,3G端末の中核となる半導体やソフトウエアを共同開発するという。各社は,協業の検討に入っていることは認めているが,合弁会社の設立を含めた具合的な内容については「まだ何も決まっていない」として明言を避けている。

 半導体メーカーと端末メーカーの協業例としては,ルネサス テクノロジとシャープ,富士通,三菱電機,NTTドコモがSymbian OSベースの共通プラットフォームの開発で提携した例がある(Tech-On!関連記事)。今回の協業は,Linux OSベースの共通プラットフォームについて,同じく開発体制を整える動きと位置づけられる。合弁会社の設立となれば,Symbian OSをベースとする端末メーカー群よりさらに踏み込んだ形での協業体制が実現する。

 NECとパナソニック モバイルコミュニケーションズは,2001年から携帯電話機向けソフトウエア基盤で提携関係を結び,NTTドコモの協力を得て3G端末向けのLinuxベースのプラットフォーム「MOAP(L)」を共同開発した。このとき,アプリケーション・プロセサとして,TI社のOMAPシリーズを採用している。5社の協業では,OMAPをベースに,W-CDMA技術で実績があるNECや松下電器産業のベースバンド処理回路技術を取り込んだLSIを開発し,そのLSIの上で動作させるLinux OSやプロトコル・スタックをはじめ各種ミドルウエア群を開発するとみられる。

 ここで気になるのが,松下電器産業が開発する携帯電話機向け開発基盤「UniPhier」との関係だ。パナソニック モバイルコミュニケーションズは,ワンセグ放送の復号化処理にUniPhierプロセサを活用した端末「P901iTV」を2006年春に出荷した(Tech-On!関連記事)。今後は,海外向けにUniPhierベースの3G端末を開発することを明らかにしている。5社の協業が実現した場合,同社は,AV機能を強化した端末にはUniPhierを,普及機向けにはOMAPをといった使い分けで,両者を並存させる可能性がある。