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FON社の創設者兼CEOのMartin Varsavsky氏
FON社の創設者兼CEOのMartin Varsavsky氏
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 スペインのFON社は4月11日,家庭やコーヒーショップなどに設置された無線LANのアクセス・ポイント(AP)を,他のユーザーに安全に開放できるサービスを日本で開始すると発表した。自分のAPを開放する代わりに,他のユーザーが持つAPを無料で利用できる。同社の会員が増えれば,外出先のいろんな場所でインターネットにアクセスできるようになる。

 FON社は2005年11月にスペインで設立されたベンチャー企業だが,米Google社やルクセンブルグSkype社などが出資していることもあり,大きな注目を集めている。FON社のサービスはブログなどの口コミで広がり,既に144カ国で2万9000人以上が利用している。「開始からわずか3ヵ月で世界最大の無線LANネットワークになった」(FON社の日本でのアドバイザーを勤めるネオテニーの伊藤穣一社長)という。
 無線LANのAPは,家庭での導入率が急速に高まっている一方で,これまでビジネスとして成功した言えるサービスはほとんどない。FON社はその原因が,さまざまな場所で使えるネットワークがない点と利用料が高い点にあると考え,これを改善するサービスを提供するとしている。

 同社は会員の利用形態に応じて,「Linus」「Aliens」「Bills」という3つのカテゴリーを用意する。Linusは,自分の無線LANのAPを他の会員にも開放する代わりに,別の会員のAPを無料で使える。Aliensは,自分のAPは解放しないが,1日200円を支払えば会員のAPを使える。Billsは自分のAPを開放する代わりに,Aliensが支払った利用料の50%を受け取る。ただし,Linusとは異なり他の会員のAPを無料で使うことはできない。Billsは一般のモバイル・ユーザーというより,コーヒーショップなど無線LANのAPを顧客にサービスとして提供する会員を想定している。
 なお,本日サービスが開始されたのはLinusのみ。Aliens,Billsに関しては課金システムの準備などが必要になるため,2006年6月1日の開始を予定している。

 LinusもしくはBillsとしてFON社のネットワークに参加するためには,同社が提供するファームウエアを導入したルーターを利用する必要がある。現在,バッファローの「WHR-HP-G54」などを使っているユーザーは,FON社のWWWサイトからそれをダウンロードして組み込めば利用できる。

 その他のルーターを使っている場合は,同社が2006年7月ころから3000円程度で販売するブリッジルーター(バッファローが開発中)を購入する必要がある。
 なお,無線LANのAPを他の会員に解放する際のセキュリティに関しては詳細を語らなかったものの,「ファイアウオールで家庭内と外のネットワークを分けるので問題はない」(創設者兼CEOのMartin Varsavsky氏)としている。

 同社の収入源は,Aliensが支払う利用料と,Billsが受け取る利用料の半分。現在のところ,広告を表示するなどの他の収入源は想定していない。

 同社は日本での利用者を増やすために,現在,国内のインターネット・プロバイダー(ISP)2社と提携交渉をしているという。ISPがインターネット利用会員に提供するルーターにFON社のファームウエアを導入する代わりに,FON社は収益の一部をISPに支払う仕組みである。

 「現在日本のユーザーは46人しかいないが,それが20万人程度に増えればかなりの地域をカバーできる」(Varsavsky氏)としている。