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 「フラットパネル・ディスプレイ(FPD)の動画表示画質の評価には,動画質に問題のないCRT(ブラウン管)のデータを評価のアンカー(基準)として入れておくべきである」。4月17日に開催された「FPD International 2006」プレセミナー第3回『FPDテレビの本当の画質とは』で,NHK(日本放送協会)放送技術研究所材料基盤技術主任研究員の栗田泰一郎氏は,FPDの動画質評価の基準が必要との提案を行った。

 液晶パネルやPDPなどFPDの動画質は,静止画表示に比べて一般的に劣化する。特に液晶パネルは,一般に1/60秒の1フィールドの間中,表示を続けるホールド型であるため,動きボケを生じる。これを改善するために,バックライトの点滅や黒挿入などの間欠表示法や,動き補償倍速表示法などが導入されている。これらの手法によって,動きボケは改善されているが,主観的,客観的な画質改善効果の評価法は確立されていないとする。

 そこで,動画質の評価の基準として,480Hz駆動の8倍速CRTの動画像を劣化尺度の比較基準として入れることを提案した。静止画を劣化の基準画像として5段階の劣化尺度を導入し,被験者15~17人で主観評価で画質劣化を評価する。4.5を検知限,3.5を許容限,2.5をがまん限として,この評価法を使うと,CRTでは検知限以上の劣化しか起こらないが,液晶パネルでは間欠表示率25%でようやく許容限をクリアできるレベルと評価できた。

 また,画質の基準は「デジタルハイビジョン」を前提とした画質にすべきだとし,標準観視条件を用いるとともに,客観評価,主観評価用の標準静止画像,標準動画像を使うことを提案した。