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JEDAのロードマップ JEDAのデータ。
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JEDAのNSCaの実行画面例 JEDAとエッチ・ディー・ラボのデータ。
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 最近大手のEDAベンダーがこぞってサポートを発表する「SystemVerilog」。その中の基盤技術に「Vera」という検証用言語がある。今回,Veraの開発者である粕谷淳氏に,Veraの誕生秘話や,現在同氏がCTOを務めるベンチャー企業におけるSystemC検証への取り組みを聞いた。

 Veraの起源は,米Xerox Corp.のPARC(Palo Alto Research Center)に遡るという。15年近く前に富士ゼロックスからPARCに出向いていた粕谷氏はマルチプロセサのコンピュータの開発に携わる。この開発プロジェクトは米Sun Microsystems, Inc.との共同で実施されたことから,粕谷氏はSunへ移る。同氏はSunでもマルチプロセサのコンピュータの開発に携わる。

 こうしたマルチプロセサのコンピュータの開発プロジェクトを通して,開発されたのが「Vera」である。「0」,「1」のテスト・パターンを記述するのが大変でそれを効率化したいというのが,検証言語を使う動機だった。粕谷氏がSunに移ったときには,Sunの社内には独自に開発した検証言語があった。しかし使いにくかったので,自ら新たな言語を開発することにした。

 Veraという名称はアニメの「妖怪人間ベム」から思いついたという。当時は検証エンジニアという職種がまだ確立していなかった。「検証を担当してくれ」と新規採用者に頼んだところ,その相手が「将来はちゃんとしたエンジニアにしてくれ。なるべく早くエンジニアになりたい」と言ったという。この言葉を聞いたときに「早く人間になりたーい」というベムのセリフが粕谷氏の脳裏をよぎった。そこからVeraという名称に決まったと,同氏は言う。

 Veraはその後,EDAベンダーの米System Science, Inc.が製品化した。そして,System Scienceを米Synopsys, Inc.が買収した。その後Veraの技術はSynopsysの論理シミュレータ「VCS」や上述した「SystemVerilog」に取り込まれた。

「SystemCの検証はビジネスになる」

 現在同氏は,米JEDA Technologies, Inc.のCTOを務めている。JEDAは,SystemCベースの検証を支援するEDAツールのベンダーである。SystemCは日本や欧州で関心が高いが,米国の大手EDAベンダーの関心は今一歩。米国EDAベンダーが「SystemVerilog」関連ツールを充実させる一方で,SystemCのサポートは手薄になっている。そこにビジネス・チャンスがあると粕谷氏は言う。

 JEDAは最初の製品として,SystemCのアサーション・ベース検証を支援するEDAツール「NSCa」などを2006年2月に発表した(Tech-On!関連記事1)。 今後,SystemCのテストベンチ生成支援やテストベンチ自動生成の機能を持ったEDAツールを製品として発表する予定である。

 またJEDAは,今月初めにエッチ・ディー・ラボと国内総代理店契約を結び(JEDAのニュース・リリースエッチ・ディー・ラボのニュース・リリース),日本へ本格進出する。エッチ・ディー・ラボはSystemCの設計コンサルティングやトレーニングでの実績が豊富で(Tech-On!関連記事2),代理店の選定に当たってはそれに着目したという。

 なおJEDAという名称は,同氏がJEDAの以前に所属していた企業の最初の文字が「J」だったことと,映画の「スター・ウオーズ」の「ジェダイ(Jedi)」から思いついたという。