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千葉工場のプラント全景
千葉工場のプラント全景
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 神戸環境ソリューションの子会社であるコベルコ・ビニループ・イースト(本社東京)は,ポリ塩化ビニル(PVC)を再原料化する千葉工場が千葉県富津市に完成し,2006年4月1日から稼働を開始したことを明らかにした。同工場は,農業用ビニルシートなどPVC系廃棄物からPVCを再生するマテリアルリサイクル施設。国内で初めて「溶剤分離法」という技術を採用し,再生材は「バージン材に匹敵する」(同社社長の平井等氏)特性を持つ。

 千葉工場におけるPVCの再生プロセスは,ベルギーの大手化学メーカーであるSolvay社が開発したPVC再生技術「Vinyloop」を導入したもので,前処理,溶解,沈澱,溶剤回収の4工程から成る。例えば,使用済み農業用ビニルシートの場合には,次のように再生する。

 前処理工程でまず,使用済み農業用ビニルシートを10cm角ほどに切断し,付着している泥や砂などを水で洗い落とす。続いて,破砕機で数mm角に細かくしてから,ミキサに送って脱水し直径数mmの粉粒状にする。次の溶解工程では,粉粒に含まれるPVCだけを選択的に溶かし,ろ過でPVC/溶剤溶解液とPVC以外の素材に分離する。この工程でポイントとなるのが溶剤。「PVCを選択的に溶解する溶剤は結構たくさんあるが,ここで使用しているのは,Solvay社が開発したケトン系のもの」(同氏)という。

 取り出しPVC/溶剤溶解液は沈澱工程の攪拌槽に回る。下からスチームを吹き込むと,槽の中では溶剤が揮発しスチームが水に戻る。この過程で,過飽和となったPVCが析出し始め「300μm程度の規則的な大きさで分散抽出できる」(同氏)。これを脱水し乾燥させれば,PVCに可塑剤や安定剤を含んだ成型用材料「塩ビ・コンパウンド」の完成。さまざまなPVC製品にリサイクルできる。残る溶剤回収工程では,沈澱工程でスチームを送り込んで蒸発した溶剤を回収/精製し,再び溶解工程に戻している。

 こうして得られた塩ビ・コンパウンドの再生材をPVC加工メーカーで実機テストしたところ,剛性,延伸性,絶縁性などの各種特性は「バージン材と比べて遜色がなかった」(同氏)という。それ故,販売価格は「バージン材と近いところ」(同氏)になる見通し。コベルコ・ビニループ・イーストでは当面,農業用ビニルシート,壁紙,電線被覆材を中心に処理し,操業率で2006年度は30%,2007年度は70~80%,2008年度は100%を目指す。フル稼働時点における再生塩ビ・コンパウンドの生産量は年間1万8000t。これは,PVC系廃棄物の処理量で2万6000tに相当する。