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 島根県産業技術センターは,熱伝導率がAlの3倍近い700W/m・Kと高い複合材料を開発し,2006年4月21日まで幕張メッセで開催中の「TECHNO-FRONTIER 2006」に試作品を展示した。マイクロプロセサなど発熱量が大きなLSIの放熱用途などに向ける。Al粉末に炭素繊維を混ぜ合わせ,焼結によって成形した複合材料である。

 炭素繊維は1軸方向に並んでおり,炭素繊維の長手方向で複合材料の熱伝導率が700W/m・Kに達成した。炭素繊維に対して垂直方向の複合材料の熱伝導率は,20~50W/m・Kである。開発に当たり,信州大学 工学部 教授の遠藤守信氏の協力を得た。Alのほか,Cuと炭素繊維から成る複合材料も出展した。熱伝導率は,Alと炭素繊維から成る材料よりも若干低いが,600W/m・K強を確保している。Cuと炭素繊維との複合材料は,日立金属と共同開発したもの。

 今回出展したAlと炭素繊維を使う複合材料は,熱膨張率が炭素繊維の長手方向で−2×10-6/℃と小さいものの,垂直方向は20×10-6/℃と大きい。島根県産業技術センターは,この垂直方向の熱膨張率を抑えた複合材料も開発している。Alと炭素繊維に,さらに数%のカーボン・ナノチューブを混ぜ合わせて焼結することで,熱膨張率を約30%抑えたとする。熱伝導率は700W/m・K程度とほとんど変わらない。熱膨張率を抑えられたのは,複合材料内の炭素繊維間にカーボン・ナノチューブが絡みついているためと説明する。カーボン・ナノチューブは,信州大学 教授の遠藤氏が開発したもの。なお,今回の展示会では,カーボン・ナノチューブを混入させた複合材料を展示していなかった。

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