早稲田大学理工学術院 高西淳夫教授の研究室と,ロボット開発ベンチャーのテムザックは,人間が搭乗して階段や屋外の不整地などを歩行できる2足歩行ロボット「WL-16RIII(Waseda Leg-No. 16 Refined III)」を開発した。高さ1.28mのロボット上部に人間が搭乗できる椅子,進行方向や速度を指示するための操縦かんが付いており,行きたい方向に進むことができる。 今回のロボットの総重量は76kgである。体重が55kgの成人男性を搭乗させた状態で,公道上の点字ブロックの敷設された路面や横断歩道,傾斜角3度の砂利道などで,安定した歩行を実現した。なお,道路交通法ではロボットの扱いについて規定が存在しないため,ロボットの公道での走行は一般には認められていないが,北九州市と福岡市は構造改革特区の1つとして「ロボット開発・実証実験特区」の認定を受けている。こうしたロボットの公道上の歩行が規制緩和の対象となっている。今回のロボットの公道上での実験も,この特区による規制緩和の基で福岡市内などで行った。 早稲田大学 高西氏らはこれまでにも,人間を乗せた歩行が可能な2足歩行ロボット「WL-16」を2003年11月に開発,その後,2005年4月には人を乗せた状態で階段昇降が可能な新版「WL-16RII」を開発するなど,徐々に改良を重ねてきた。今回のWL-16RIIIもこれらの後継版である。
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