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 日立製作所は,次世代の医療に向けて,たんぱく質の解析精度を高めた質量分析技術を開発した。液体クロマトグラフィ質量分析装置を用いてイオン化した試料を小さな断片に切り離す際に,新たな方法を導入して分析する技術である。

 遺伝子情報に基づいて体内で生成される個人のたんぱく質の状態は,病気のかかりやすさなどと直接関わることが近年明らかになりつつある。そのため,たんぱく質の状態を正確に特定する技術が最先端の医療現場で注目を集めており,今回の技術は「疾病メカニズムの解明や新薬開発などの効率化に道を開くもの」(同社)という。

 開発した技術は,イオン化した試料を切り離す方法として,従来の「衝突誘起解離法(Collision Induced Dissociation,以下CID)」に加え,新たに「電子捕獲解離法(Electron Capture Dissociation,以下ECD)」を導入した。この2種類の解離方法を切り替えながら分析できる。今回の技術を用いて酵母細胞抽出サンプルの分析を行ったところ,CIDでは特定できなかった数例のたんぱく質を特定できたという。

 この開発の一部は,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の一環として行われた。開発の詳細は,2006年5月18日に米国シアトルで開催される「54th ASMS Conference on Mass Spectrometry」で発表する。