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代表取締役社長の井植敏雅氏
 「2期連続の大きな最終赤字となり,ステイクホルダーの皆様にご迷惑とご心配をおかけしたことは誠に申し訳なく,深くお詫びを申し上げます」———。三洋電機 代表取締役社長の井植敏雅氏は2005年度(2005年4月~2006年3月)決算の記者説明会で陳謝した。連結で営業損失171億5400万円,当期純損失2056億6100万円を計上する赤字決算。売上高は対前年度比3.5%減の2兆3970億2600万円としたものの,退職加算金や固定資産の減損など,構造改革の費用がかさみ,前年度以上の赤字を出した(前年度の決算記事)

 売上比率の約1/2を占めるコンシューマ部門で,98億8900万円の営業損失を計上した。競争激化による売り上げ減や平均販売価格の下落,白物家電などの在庫の評価見直しが赤字の要因になっている。デジタル・カメラやテレビ,液晶プロジェクタ,エアコン,洗濯機が低調だった。一方,人気シリーズ「GORILLA」を中心にカーナビの売れ行きは好調で,販売台数は過去最高を記録したという。携帯電話機の販売台数も,北米などの海外向けが伸びて,前年度の約2割増の1250万台となった。国内では販売数量は減少したものの,児童向けのGPS機能付き携帯電話機の売り上げが好調で,収益に貢献したとする(Tech-On!関連記事)

「電池の三洋」は健在

 コンポーネント部門も,3.7%の減収,36.1%の減益と低迷した。Ni水素電池「eneloop」(Tech-On!関連記事)やLiイオン電池,太陽電池は好調だったものの,コンデンサや振動モータ,光ピックアップの価格下落で収益が悪化した。半導体も受注が新潟県中越地震以前の水準に戻らなかったという。三洋電機は2006年7月に半導体事業の分社化を予定している(Tech-On!関連記事)。井植社長は「分社化で意思決定の迅速化を図る。次の課題は設備投資。技術開発のための資本の確保だ」とし,他社からの資本受け入れを示唆した。

 同社は2006年3月,不振のテレビ事業で台湾Quanta Computer Inc.との合弁会社設立に基本合意したことを発表している(Tech-On!関連記事)。合弁の進捗状況について井植社長は「年末商戦に製品を並べられるよう,2006年7月~8月をメドに最終合意したい」とした。携帯電話機についても2006年2月にフィンランドNokia Corp.との合弁を発表したが,こちらも最終合意を目指している段階という(Tech-On!関連記事)。出資比率についても協議を進めているところで,「当社の今後の姿勢を,合弁のあり方で示したい」(井植社長)と語るにとどまった。

追加リストラを示唆

 人員削減は,2008年3月末時点での目標だった1万4000人の削減を,2006年3月末時点で達成した。内訳は国内が約6500人,海外が約7500人である。代表取締役副社長の前田孝一氏は追加の人員整理について「今後も白物家電事業を中心とする合理化の中で必要があれば(削減する)。生産や販売の状況を見るに,あと何人(削減する)とは言えないが,現状で良いとは考えていない」と話した。

 2006年度(2006年4月~2007年3月)の業績見通しについては,売上高2兆4000億円(対前年度比0.1%増),営業利益650億円,当期純利益200億円とした。年間の設備投資額は1050億円を予定しており,得意の電池事業に前年度の約2倍の投資を行うとする。同事業では2006年度通期に約380億円(同6.3%増)の営業利益を見込む。一方,電化機器事業は赤字を脱することはできない見通しで,25億円程度の営業損失を予想している。

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