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着脱式のSideShowサブ・システムの試作品
着脱式のSideShowサブ・システムの試作品
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 米Microsoft Corp.は,2007年1月に出荷予定の次期OS「Windows Vista」に「SideShow」という新機能を搭載する。SideShowは,ノート・パソコンに小型のディスプレイが付いたサブ・システムを組み込み,そこで「Gadget」と呼ばれるミニ・アプリケーションを動かす技術である。ノート・パソコンを起動していなくても,小型ディスプレイ上で受信メールを確認したり,PowerPointのプレゼンテーション・ファイルを見たり,と各種のアプリケーションが使える。
 米Apple Computer,Inc.のiPodシリーズにオーディオ処理用LSIを供給している米Portal Player,Inc.は,SideShow用サブ・システム「Preface」を開発し,パソコン・メーカーに採用を働きかけている。同社President and CEOのGary Johnson氏が来日したのを機に,製品戦略や展望について聞いた。

--SideShow用サブ・システム「Preface」を開発したきっかけは何か。

Johnson SideShowは,ノート・パソコンを大きく革新させる技術であると考えているからだ。Gadgetと呼ばれるミニ・アプリケーションをインターネットからダウンロードすれば,それをSideShowで再生できる。Microsoft社が提供するGadgetだけでなく,外部の開発者が作った数多くのGadgetをダウンロードして使える。
 SideShow用サブ・システムはノート・パソコンと独立して動作するので,例えば音楽を再生する際にパソコン本体は電源オフのままサブ・システム上で再生する,といった使い方ができる。通常,ノート・パソコンで音楽を再生すると2~3時間しかバッテリーが持たないが,Preface上だと300~500時間音楽再生が可能になる。電子メールが受信したメールを外出先で確認したいときに,わざわざパソコン本体を起動しなくても,Preface上で確認できる。
 SideShow用サブ・システムとしては,ノート・パソコンのディスプレイ背面に埋め込むタイプと,パーム・レストの横などに装着する着脱タイプの2種類が企画されている。Prefaceの着脱タイプは,取り外した状態ではMP3プレーヤーとしても使える。

--Portal Player社がSideShow用サブ・システムを製造・販売するのか。

Johnson 違う。当社はサブ・システム用のLSI,ソフトウエア,ファームウエアを提供する。そのために参照デザインを開発し,パソコン・メーカーに開発キットを提供している。既に開発キットを200個出荷済みで,日本のパソコン・メーカーにも採用を働きかけている。
 Prefaceの参照デザインは,当社のマイクロコントローラ「PP5024」を採用し,32MバイトのシンクロナスDRAM,標準で1GバイトのNANDフラッシュ・メモリ,USBインタフェース,解像度が320×240ドットなどのディスプレイを搭載する。PP5024は,iPodに採用されている「PP5021」と,電力管理機能やDAC機能を持つLSIを1つのパッケージ内に実装したものだ。
--台湾Winbond Electronics Corp.なども同様の製品を開発しているが,Portal Player社の強みは何か。

Johnson 当社は2005年から米Microsoft社と共同開発を進めてきた。この技術に対する専門知識の深さ,そしてシステムの安定性といった点には自信がある。

--一般にパソコン事業は粗利が薄く,いくら新機能といってもコスト増を伴う場合は,なかなか受け入れてもらえない。

Johnson Preface搭載によるコスト増は,1台当たり約40米ドルと見ている。ユーザーが受けるメリットを考えれば,このコストはそれほど高くない。ハイエンドの機種だけでなく,販売価格が1500米ドル程度のノート・パソコンにも,採用される可能性があると見ている。開発キットも,ディスプレイが付いて1500米ドルとさほど高くない。

--最後に,今後発売されるiPodの新製品では,御社のオーディオLSIが採用されないことになった,と聞いているが本当か。

Johnson 高容量のNANDフラッシュ・メモリを搭載したプレーヤー(iPod nanoの後継製品)には,PP5021が採用されないことは決まっている。しかし,HDDを搭載するモデルには引き続きPP5021を供給する。それ以上のことは現在は言えない。