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 シャープは関西ペイントと共同で,トウモロコシのでんぷんを主原料とする塗料を開発した。従来の塗料と比べて乾燥時間を縮めることで,塗装工程の簡易化を実現している。2006年10月に発売する液晶テレビ受像機「AQUOS LC-52GX1W」「同52GX2W」「同46GX1W」「同46GX2W」のスタンド部分に採用した。

 シャープと関西ペイントは,2004年から植物系樹脂塗料の開発に取り組んでおり,2005年12月には家電製品のプラスチック部品に塗装する技術を開発(Tech-On!の関連記事)。2006年からそれを,液晶テレビ受像機「AQUOS」のスタンド部分に使っている。この塗料は,でんぷんを改質したエステル化でんぷんがベースで,そこに顔料や硬化剤を混合し,化学反応によって固めるものだ。60℃で30分かけて焼き付け乾燥させる必要があるほか,硬化剤の配合条件や撹はん/混合方法を管理しなければならないのが課題だった。

 それに対して新開発の塗料は,主剤と溶剤のみから成り,溶剤が揮発することで主剤が固化する。これは,エステル化でんぷんをさらに改質したことにより実現した。具体的には,エステル鎖長の調整や変性樹脂の最適化,最適溶剤の選定を行うことで,硬化剤を不要にしている。

 焼き付け乾燥にかかる時間は,50℃の環境下で15分と,従来の樹脂塗料と比べて1/2。従来の植物系樹脂塗料が持つ耐久性や,光沢,質感を保ちながら,塗装性能を向上させた。このため,さまざまな製品に適用できる。

 シャープは今後,冷蔵庫やエアコン,洗濯機などにも新塗料の用途を広げる。一方の関西ペイントは,新たな市場への展開を図るという。


トウモロコシのでんぷんから合成したエステル化でんぷんをベースに,塗料を造る