スズキは2006年度上期の連結業績を発表した。同上期は,小型車「スイフト」,新型スポーツ・クロスオーバー車「SX4」,SUV「グランドビターラ」(「エスクード」の輸出名)といった車種の海外への輸出が好調だったことに加え,日本国内でもスイフトやSX4,および軽自動車「MRワゴン」「エブリイ」などの販売が順調だったこともあり,前年度同期に対し売上高,営業利益共に10%台後半の大幅増となった。売上高は1兆4824億円(前年度同期比16.4%増),営業利益は678億円(同19.3%増),経常利益は715億円(同23.3%増),当期純利益は395億円(同27.5%増)だった。売上高営業利益率は4.6%で前年度同期に比べ0.1%のアップだった。
大幅な増収増益だったにもかかわらず,売上高営業利益率が微増にとどまったのは「主にスイフトやSX4を日本から欧州に輸出しているため。船賃でコスト高になっている」(スズキ会長の鈴木修氏)としている。諸経費が前年度同期に対し286億円増加しているが,その一部がそうしたコスト増という。
営業利益におけるプラス要因は,売り上げ・車種構成変化など(前年度同期に対して237億円のプラス影響),為替影響(同174億円のプラス影響),原価低減(同103億円のプラス影響)。一方,マイナス要因は前述の諸経費の増加に加え,減価償却費の増加(同119億円のマイナス影響)としている。
軽自動車のトップ争いについては「欧州に対するスイフトやSX4の売り上げが予想以上に伸びているので,(軽自動車の販売台数の低下分は)カバーできる。海外での小型車の需要増で生産能力が不足しているので,静岡県牧之原市の相良に新工場を造るまでの期間は登録車を採るか軽自動車を採るかのどちらか。新工場ができたら,軽自動車でトップを目指す」(鈴木氏)という。
なお,同社は同上期の業績と同時に,2006年度通期の連結業績の見通しに対する上方修正も発表した。期初予想に対し,売上高は2000億円増の3兆円,経常利益は100億円増の1300億円,当期純利益は60億円増の720億円としている。また,為替レートは期初予想に対し,1米ドル当たり2円円安の114円,1ユーロ当たり10円円安の144円という。
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