韓国:増加する車両台数と交通事故、死者の4割を占める歩行者の保護性能試験も追加へ
![]() 図◎韓国建設交通部/交通安全局のGyu Hyun Kim氏 |
韓国の交通安全局・建設交通部の管理の下、韓国自動車試験・調査研究所(KATRI)が手掛けるNCAPは1999年に始まり、2002年8月に発行された自動車制御法第32条を基に活動している。試験・評価結果はWEBサイト(http://www.car.go.kr)で公開しており、現在は韓国語のみだが、2007年には英語版サイトも立ち上げる予定。
1999年のNCAP開始時には乗用車のみだった試験対象車種は、2005年に4.5トン以下のバスが加わり、2007年には1トン以下の小型トラックを追加する。試験項目も前面フルラップ衝突試験のみから始まり、2001年に制動試験、2003年に側面衝突試験、2005年に横転試験とヘッドレスト評価が加わり、現在5項目まで増えた。これまで42モデルを試験している。
前面フルラップ衝突試験は、米国NCAPをモデルにした56km/hで実施しており、法規制で定められた48.3km/hより厳しい試験方法となっている。側面衝突試験は、EuroNCAPをモデルにしており、これも法規制より厳しい55km/hで、車両側面に90度の角度から変形バリアが衝突する。横転試験は米国NCAPをモデルとし、静的安定性の算出と、釣り針のように巻き込んだカーブを持つ走行路で動的試験を実施する。制動試験は、日本NCAPをモデルとし、ドライおよびウェット路面で100km/hからの制動距離を測る。ヘッドレスト評価は、米国IIHSの試験をモデルとしており、ヘッドレストの高さや形状を評価する。
交通事故による死者は、歩行者が39%を占め、乗員の22%より多い。そのため今後の活動では、2007年に歩行者頭部保護、2008年に歩行者脚部保護、2009年にオフセット前面衝突とヘッドレストの動的試験、2010年には側面のポール衝突試験を加えていく予定。