三菱電機は,UHF帯(952~954MHz)のRFID用のパッシブ型タグと,リーダ/ライタを発表した(発表資料)。ISO/IEC18000-6 Type C(EPC Global C1 G2)に準拠。タグは金属面に貼付して利用できる。2006年7月に発売した「UHF帯RFID評価キット」を利用したユーザーの検証結果・要求などを受け,開発を進めたもの。電波干渉対策の強化や,リーダ/ライタのインタフェース拡充のほか,パッシブ型で業界最長という通信距離7mを維持しながらもタグを軽量化するなどの改良を施した。機材管理,リターナブル・コンテナ管理,物流管理,車両入退場システムなどに向ける。
リーダ/ライタには,2006年1月の電波法関連省令改正に盛り込まれたListen Before Talk(LBT)方式を採用。他のリーダ/ライタが電波を発信していないかを確認してから自らが発信する方式であるため,他システムとの干渉を軽減できる。また,発信する電波の強さを,ユーザーが6段階に設定できるようにした。使用環境に合わせて出力を調整できるので,環境による電波干渉を抑えられる。出力は最大1W。
リーダ/ライタのインタフェースには,これまでのRS232C 1ポートに加え,LAN(Ethernet 10/100BASE-T)も搭載。これにより,複数のリーダ/ライタを1台のパソコンで制御できるようになった。生産管理システムなどで求められる拡張性と柔軟性の確保を図る。
タグの重さは25g,外寸は90mm×55mm×4mm。新素材を採用し,重さを同社従来品比で30%以上軽減した。軽量化を図りながらも,通信距離は維持している。通信距離は,直線偏波で最大7m,円偏波で3.5m。最大通信距離7mは、金属面に貼付できる名刺サイズのパッシブ型タグとして業界最長という。
2006年12月末から出荷を開始する予定。