マツダは2006年度上期の連結業績を発表した。同上期は,欧米での販売が増加したことから好調。特に営業利益は,前年度同期比で43%増の698億円と大きな伸びを記録した。売上高は1兆5214億円(前年度同期比13%増),経常利益は566億円(同31%増)だった。当期利益は272億円で,厚生年金基金の代行部分返上益を計上するなど一時的な利益増があった前年度同期と比べると12%減だが,これらの一時的な利益を除くと18%の増加に相当するという。
北米での販売は,同年5月に投入したSUV「CX-7」,2005年に投入したミニバン「Mazda5」(日本名「プレマシー」),小型スポーツカー「MX-5」(日本名「ロードスター」)といった新規車種がけん引し,小売台数は前年度同期比3%増の14万2000台。既存車種であるセダン「Mazda3」(日本名「アクセラ」)も需要に供給が追いつかない状況で好調な販売を後押しした。販売奨励金も,好調な販売を背景に2005年度上期の2260米ドル/台から1790米ドル/台へと減らすことに成功,ブランド力が着実に高まってきているとしている。欧州での販売は,Mazda5やMX-5が倍増したほか,「Mazda6」(日本名「アテンザ」)のディーゼル搭載車が好評を呼んで好調に推移。小売台数前年度同期比で10%増の15万1000台だった。
営業利益の大幅増は,こうした販売台数の増加と車種構成の改善(前年度同期に対して149億円のプラス影響),円安効果(同227億円のプラス影響),原材料価格上昇を上回るコスト削減活動(同53億円のプラス影響)によるとしている。ちなみに,原材料価格の上昇により100億円を超えるコスト増があったという。
また,同社は2006年度通期の業績見通しも発表した。売上高は3兆1500億円,営業利益は1480億円,当期利益は820億円で,同年4月に発表した見通しに対してそれぞれ上方修正している。
【訂正】掲載当初,「『Mazda6』(日本名「アクセラ」)」としていましたが,「Mazda6」の日本名は,正しくは「アテンザ」でした。
■国内企業の最新の決算はこちらからご覧いただけます。 |