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 テクノマセマティカルは,米Texas Instruments Inc.(TI)の携帯機器向けデジタル・メディア・プロセッサ「TMS320DM」シリーズに最適化した動画復号化ソフトウエアの提供を開始した(発表資料)。H.264/MPEG-4 AVCに対応するもの。TMS320DM向けに,実用レベルの速度でH.264を符号化もしくは復号化できるソフトウエアを提供する国内事業者は,テクノマセマティカルが初という。

 提供するソフトウエアは,独自の演算アルゴリズム「DMNA(Digital Media New Algorithm)」を応用したもの。DMNAでは,(1)因数分解により計算を簡略化し演算回数を大幅に削減する,(2)折り返し理論を活用し数値空間を狭くすることによって演算回数を削減する,(3)演算式を階層化し優先度を付けて必要な計算だけを実行する,(4)複雑な計算式を階層化することで簡易化する,(5)各関数を効率的に変換する,といった手法を組み合わせた。これにより,画像や音楽の圧縮/伸長処理で使われる離散ウェーブレット変換(DWT),離散コサイン変換(DCT),算術符号,動き検出(ME),デブロッキング・フィルタなど,高負荷な演算処理の負荷を低減できるとしている。
 まずは,カメラ付き携帯電話向けの「TMS320DM290」に最適化したものから提供を始める。H.264複合化の能力は,動作周波数90MHzのTMS320DM290で処理した場合,QVGA(320画素×240行)のベースライン・プロファイルで20フレーム/秒。ハードウエア・アクセラレータと内蔵CPUコアを協調させる工夫により,消費電力を低く抑えるという。
 両社はTMS320DMシリーズ以外のプラットフォームでもこのソフトウエアの親和性を確認しており,今後,適用を拡大していく考え。