電源用アナログICなどのメーカーである米International Rectifier(IR) Corp.は,2007年度第1四半期(2006年7~9月)の決算を発表した(発表資料)。売上高は前四半期比7%増,前年同期比26%増の3億4420万米ドル。調整後純利益は前四半期比12%増,前年同期比29%増の3780万米ドルと大きな伸びを示した。「コンピュータとコミュニケーション(C&C)」「省エネ製品」「宇宙/防衛」「知的財産権」といった重点製品分野の売上高については,前年同期比32%増で,売上高全体の75%を占めている。
売上高の大幅増の要因は,最大の事業分野である「C&C」の売り上げが前年度同期比で約53%増加するなど,重点製品分野の成長が著しいことである。ゲーム機,サーバー,パソコン向けの製品の生産を増強しており,その成果が現れたという。
2007年度第2四半期の全売上高予測は,横ばい~3%増加,重点製品分野の売上高は2~4%増加,粗利益率は横ばい~0.5%増加の見込み。同社はゲーム機向け製品の大規模案件などから,2007年までに1億~1億5000万米ドルを売り上げる計画。この増強計画の一環として,重点製品の全分野を対象としたTower Semiconductor Ltd.との委託生産契約の合意を発表している。
また,同社は11月1日にパワー・コントロール・システムズ(PCS)事業を米Vishay Intertechnology,Inc.に売却することで合意したと発表。PCS事業は主に非重点製品分野で構成するが,一部重点製品分野が含まれている。2006年度の売上高は約3億ドルで,全売上高の26%程度に相当する。売却金額は約2億9000万ドルの見込み。最終合意は,2006年11月10日までになされるという。事業の移管は2007年2月に完了する予定。この売却について,最高経営責任者(CEO)のAlexander Lidow氏は「資源や資産を重点製品分野に集中できる」と説明する。
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